生理前のイライラで自分を責めないで。医師監修・月経前の“魔の日々”から卒業するためのPMS・PMDD攻略ガイド【書評】
公開日:2025/5/19

普段は腹が立たないことにも無性に腹が立つ。いつもは元気だけど、生理前になるとやる気が起きなかったり、何もかもが辛くなったりしてしまう。この症状、思い当たる人も多いのではないだろうか。そんな人に伝えたい。その症状は、あなたのせいではなく、ホルモンによって引き起こされている可能性があることを。
『生理前モンスターだった私が婦人科医に聞く PMS・PMDD攻略法』(なおたろー:著、高橋怜奈:監修/KADOKAWA)は、PMDDに苦しんだ経験を持つ、漫画家のなおたろーさんが描いたコミックエッセイ。
本書によると月経のある女性の約7~8割が「PMS」、PMSの中でも特に精神症状が強い「PMDD」は1.8~5.8%の方が該当するという。しかし名前を聞いたことがあっても「具体的な症状がわからない」「治療法があるの?」「費用が高いのではないか」と悩む人もいるだろう。本書は、PMS・PMDDについての疑問を産婦人科医の高橋怜奈先生に相談していくお悩み解決エッセイだ。読み進めることで、辛さの原因や対処法を学ぶことができる。なかなか人に聞けないお悩みだからこそ本作を読んで救われる人も多いのではないだろうか。
PMS・PMDDの対処法はピルしかない、そう思われることも少なくない。しかし本書では、薬に頼らない方法や、漢方薬といったピル以外の選択肢も描かれている。家でできる簡単なストレッチや、食事に気を付けることで症状を軽減することもできるのだ。全部やろうと考えると負担になってしまうが、作品内で描かれているように自分にできることを少しずつ取り入れていくことが大切である。「自分も同じ症状だが病院に行くほどではない」「ピルは飲みたくない」という人にとっても、対処法を知ることが強い味方になるだろう。
生理前の不調や心の揺らぎに悩んでいる人にぜひおすすめしたい。自分の体との付き合い方を学ぶことで、自分を責めることが減り心穏やかに過ごせる日が増えるだろう。
文=ネゴト / くるみ