冷徹社長が妻にだけ見せる甘い顔にキュン…! すれ違うふたりの結末は? 離婚から始まる逆転ラブストーリー『冷徹社長の執愛プロポーズ』が完結【書評】

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PR 公開日:2025/4/29

冷徹社長の執愛プロポーズ~花嫁契約は終わったはずですが!?~七星紗英:作画、あさぎ千夜春:原作/スターツ出版

 電子書籍での大ヒットを受けて紙書籍も発売された『冷徹社長の執愛プロポーズ~花嫁契約は終わったはずですが!?~』(七星紗英:作画、あさぎ千夜春:原作/スターツ出版)。「氷の帝王」と呼ばれるほど冷酷な男性が、主人公にだけ甘くなるギャップにときめく物語です。

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 そんな本作がついに完結。お互いを想い合っているのに気持ちを伝える勇気がない、自信が持てない……。そんなふたりの気持ちに共感しながら読める作品。最終巻を読む前に、本作の見どころをおさらいします。

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 父の急病で実家の工務店をたたむことになり、土地の買い手を探していた主人公・水品奏。そこへ大手不動産会社社長である真野和臣が現れ、「母があなたを気に入ったから」と契約結婚を持ち掛けられます。好条件で土地を買い廃業の手伝いもしてくれると言われ、契約結婚を受け入れた奏。実は和臣に好感を持っていた奏でしたが、会社で「氷の帝王」と呼ばれている和臣の態度は結婚生活でも変わらず。疎ましく思われていると感じた奏は勝手に離婚届を提出し、お屋敷を飛び出します。

 和臣もせいせいしているだろうと思った奏。しかし和臣は奏のアパートまで押しかけ、奏を自分の秘書にしようとします。実は初めて会った時から奏のことが好きだったという和臣。しかも「俺と君とで恋愛のやり直しを要求する!」と言い出して……!?

 1代で会社を大きくした祖父に厳しく育てられた和臣。「決して本心を口に出してはならない」と教えられた上に好きだったピアノも無理やり取り上げられ、いつしか自分から何かを求める心を持たずに生きてきました。

 そんな祖父も亡くなり、初めて和臣が自分から求めたのが奏。本心を隠さないと決めてからの和臣の行動は激甘! 「奏を見つめていられる時間はご褒美みたいなものだ」などストレートすぎる和臣のアプローチに奏は翻弄されます。

 仕事は隙なく完璧なのに、プライベートとなると焼きもちやき。自分から女性を誘ったことがないからデートの誘い方が直球すぎたり、かと思えば自分に自信がなかったり……。奏への行動が不器用で、母性本能強め女子の庇護欲を掻き立てます。

 結婚していた頃はまさに籠の中の鳥状態だった奏。些細なことに気が付く性格が故に、結婚中は和臣の一挙手一投足をネガティブに捉え暗くなっていましたが、お屋敷を飛び出してからは次第に本来の自分を取り戻していきます。秘書を辞め、お惣菜屋さんで働いていた時は向かいのお店のおじいさんのピンチをいち早く察知。迷惑客に立ち向かっていったことも。

 誰かのためなら臆せず行動できる勇気を持つ奏。しかし和臣を好きな気持ちは変わらず彼を信頼しつつあるのに、気持ちに応える勇気がなかなか持てません。

 最終巻直前の電子版4巻では、そんな自分を変えようと決意した奏。しかしその矢先、和臣が誰にも理由を告げずに時々長時間不在にすること、しかもそれが社長秘書の辻井の休みの日と度々被っていることに気づきます。かねてから和臣と釣り合うのは自分ではなく辻井のような人だと感じていた奏。和臣に直接質問しようとするもののタイミングが合わず。ついに和臣と奏は言い争いになってしまい――。

「自分の気持ちは言葉にしないと相手に伝わらない」。本作からはそんな結婚・恋愛に大切なメッセージを感じ取りました。最終巻となる最新5巻で、奏は勇気を出して気持ちを伝えることができるのか? ふたりの結末にご注目ください。

文=原智香

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