おなかの赤ちゃん大すき! わくわくが止まらない長男と一緒に過ごした、癒し系ふたり目妊娠・出産コミックエッセイ【書評】

マンガ

公開日:2025/5/13

 自身のネトゲ婚エピソードや出産・育児エピソードなど、ほっこりエッセイ漫画が人気の漫画家・るしこ氏。第1子である長男・ジュニアの子育て話を中心に描いた全3巻のコミックエッセイ「るしこの子育て日記」シリーズが大勢の人々に癒しを与え人気となっていたが、その続編となる『やさしい世界で生きてたい るしこの子育て日記+ねこ 』(るしこ/KADOKAWA)が2025年3月に発売された。

 本作では家族の新たな一員となった第2子・マルコを授かってからの日々と、生まれてからすくすくと成長する様子を描いている。

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 ふたり目を授かりたいと考え始めた、るしこ夫妻。夫婦の価値観の変遷から、妊娠と出産。赤ちゃんとの暮らしの中で少しずつ“お兄さんらしさ”を見せるようになる長男と愛猫。家族みんなのささやかな、けれどたしかな成長と変化をほんわかと描いた本作は、たくさんの癒しパワーにあふれたコミックエッセイとなっている。

 母親だけでなく家族みんながそれぞれに、辛いことも大変なこともたくさんある妊娠・出産・育児。だがその日々の中にはそれを凌駕する量の、たくさんの幸せな出来事がある。日常の忙しさでうっかり見逃してしまいそうなそれらを、丁寧かつ愛情をもって拾い上げている点が、本作の大きな魅力である。

 本作に関して言えばとくに見どころとなるのは、やはり長男・ジュニアの成長だろう。第2子妊娠前から着実にできることが増え、親としてもあまり手のかからない子へと着実に成長していく彼。だが日々の会話ややりとりの中には、子どもらしい発想や発言もまだまだたくさんある。

 そのギャップや予想外の挙動についクスッとしたり、時には大人の方が驚かされたり。育児を経験した人にとっては思わず共感するエピソードや、子どもが好きな人にとってはほんわか和むワンシーンも満載となっている。

 本作はるしこ氏一家のエピソードを通して、自分や家族の身の回りにある毎日の些細な幸せや尊さを、改めて発見することにも繋がる。最近日々疲れてどんよりしがち……という人は、癒しのエピソードの数々に元気をもらってみては。

文=ネゴト / 曽我美なつめ

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