重すぎる生理、それって普通じゃないかも?生理や身体の知識をアップデートすると暮らしやすい日々が待っていた【書評】
公開日:2025/5/18

多くの女性にとって、憂鬱でありながらも避けることはできな生理。『産婦人科医に聞く わたしとカラダの選択肢』(髙橋怜奈:監修、くゑ:漫画/KADOKAWA)は、知っていそうでしらない生理の話を中心に、女性が日々を生きやすくなるための“身体の話”がたくさん詰まった一冊だ。
本作の主人公・あかりもまた、長年PMS(月経前症候群)に悩んでいる女性のひとりだ。ある日生理中に体調を崩し、出勤途中で倒れてしまった。その際に出会ったのが、産婦人科の医師をしているレナである。「日常生活に支障が出る生理痛や体調不良は立派な“異常”」とレナに指摘を受けたことで、自身の生理や身体に対する考えを改めていくあかり。
生理中に海やプール、温泉に行く際は、タンポンのみならず膣の中に装着できる月経カップもオススメ! 生理周期をコントロールするピルのメリット、徐々に普及しつつあるミレーナの効果…など、選択肢が広がっていることにも気づかされる。女性読者にとっても改めて知る知識や発見が満載となっている。知っているようで知らなかった話、あるいは自分の中で間違ったイメージが先行していた話。女性自身がそういった知識を改めてアップデートすることに、このコミックスはきっと大いに役立つはず。
女性のみならず、男性にも読んでいただきたい一冊でもある。昔に比べ着実に男女の相互理解は進みつつあるが、それにあわせ女性特有の体調不良についても、理解ある男性とまったく知識のない男性との差がどんどん拡大している印象だ。女性にとっては、知っているようで知らない自分の身体を知るために、男性にとっては、未知の領域を正しく知るために。このコミックスを年齢性別問わず大勢の人が手に取ることで、今の時代に即した女性の暮らし方・生き方がもっと広まることを願う。