「問題ないです!」この一言がダイエッター達の心の支えになる。ダイエット系人気動画クリエイター・片倉岳人が初書籍を刊行
公開日:2025/5/14

登録者数80万人を超える、ダイエット系動画クリエイターの片倉岳人氏。「筋トレが無理なら、ただ歩くだけでいい」。自らの経験も踏まえて編み出した、独自のダイエット法を発信。ユーモアを交えつつロジカルにダイエット論を語る姿勢が、多くのファンを魅了している。そんな片倉氏が待望の書籍『結局これが一番やせる! 努力0.1%ダイエット』(KADOKAWA)を発売した。初の書籍制作に挑んだ際の想いや、ダイエットを志している人へのメッセージなどを伺った。

書籍の話を聞いたときは信じられない気持ちでいっぱい
――2019年から動画クリエイターとして活躍されて初の書籍が発行されましたが、最初に話を聞いたときはどう思われましたか?
片倉岳人さん(以下、片倉):いや、驚きましたね! なかなか信じることができなかったのですが、マネージャーさんと相談しながら、受けることを決めました。
――片倉さんはもともとパーソナルトレーナーをされていたんですよね。
片倉:そうです。ジムに所属してトレーナーをしていて、そのジムのプロモーションの一環でYouTubeを始めたんですね。そうしたら意外に楽しくて、YouTubeを主軸にやるようになりました。今でもたまにパーソナルトレーナーの仕事もやったりしますが、メインは動画配信ですね。
――片倉さんの生配信は、観ていてとてもためになるなと思います。どんな質問にも答えてくれますよね。
片倉:生配信には鍛えられましたね! 僕の今のダイエットメソッドは、視聴者さんとのコミュニケーションによってどんどん変化している気がします。YouTubeを始めた当初は、結構厳しいダイエット法を提案していたんですよ。それはそれでストイックにやりたい人には刺さるので。でも、そのうち再生数が伸びなくなってきたりして、改善したほうがいいのかもと思うように。自分自身もキツめのダイエットをしていると、私生活がボロボロになったりして(笑)。ダイエットを重視した生活をしているから、友達からご飯の誘いがあっても断ったりしていました。
――そんな中で徐々に考えが変わってきたんですね。
片倉:こちらの方法に合わせてもらうのではなく、人に合うようにやり方を提案していかないとダメだなと。やっぱりマリー・アントワネットのように「痩せたいなら、ジムで筋トレすればいいじゃない」というような、一方通行なやり方では通用しないですよね(笑)。生配信を通して、僕自身すごく成長できたと思いますね。
――片倉さんのダイエット法って、ある程度ルールを教えてくれてあとは「自分のやりやすいようにどうぞ」というのが魅力ですよね。それが続けやすいポイントというか。
片倉:最初の一歩はなるべく小さくていいと思っていて。ダイエットを始めるなら、「とりあえず筋トレ」ではなく、「1日1000歩歩く」くらいからでいいかなと。どんな小さな一歩でも、できたらそれは意味のあることなので。何がやりやすいと感じるのかはその人によるので、自分のやりやすいものからスタートさせるのをすすめていますね。
タンパク質をしっかり摂り、ほどよく運動を取り入れることが大事
――ちなみに、食事面ではどういうことをおすすめしていますか?
片倉:食事って人生を楽しむ上で大切な要素のひとつですよね。だから、なるべく厳しい食事制限をするのではなく、1日の摂取カロリーを抑えてタンパク質を摂る。これを意識してもらいたいですね。タンパク質って、筋肉量をキープして体を引き締めやすくするので、ダイエット中に摂ってほしい大事な栄養素なんです。僕はサラダチキンをおすすめしていて、その理由が低カロリーで高タンパク質、よく噛んで食べる分、食べ応えを感じられて満腹感も持続する。さらに味変などもしやすい。なので、ダイエット食に最適だと思っています。
――スタメン食を作ることも推奨していますよね。
片倉:そうですね。朝、何を食べていますか?と聞くと、トーストに卵、サラダ、ヨーグルトなど、食事内容が決まっている人って結構多いんですよね。なので、自分が摂るべき1日のタンパク質量などを踏まえて、食事をある程度固定してしまうのはやりやすいと思うんです。3食同じだとさすがに飽きてしまうので、朝と昼は固定にして、夜はその時の気分で好きなものを食べるでもいいと思います。
――確かに。これを食べれば必然的にダイエットメニューになっていると思うと、手軽ですもんね!
片倉:そう思います。あとは、食事記録をつけるというのもおすすめしています。自分が何を食べたのかを把握するだけでも進歩だと思いますし、その記録を見ながらちょっと脂っこいものを控えてみようとか反省したり、改善できたらいいですよね。最近は食事記録アプリも増えているので、そういったものを活用するのもいいと思います。
――運動面でいうと、筋トレも大事ですが、とにかく歩くことがおすすめですか?
片倉:はい。運動するぞ!とやる気を出すこと自体が難しい人もいると思うので、まずは散歩することを推奨しています。ダイエット効果を狙うなら、1日1万歩を目指すのがいいですが、なかなか最初からそこまでできないと思います。なので、まずは1日1000歩くらいからスタートしてみましょう。続けていくと、歩くことが楽しくなってきて、自然と歩数が増えていくと思います。ちなみに僕は、芸人さんのラジオを聴くのが好きで、聴きながら歩いているとあっという間に2時間くらい経っていて、歩数も稼げるんですよね。みなさんも音楽を聴いたり、自分の好きなアイテムを使って歩くことを楽しんでみてほしいです。
――なかなか歩く時間を確保できないような、たとえばワーキングマザーの方などには「ながら運動」を提案していますよね。
片倉:運動というと筋トレやランニングなどと思いがちですが、みんな生活の中で何かしら体を動かしているんですよね。掃除や窓拭きだって、運動のひとつ。買い物でも重い荷物を持って帰って来ているのだから、それもちゃんと加算してあげよう、という。たとえば、服を買いに行ったり、テーマパークに遊びに行ったりするのだって、歩数は稼げているので、運動のひとつだと思えばいいと思います。
書籍では、「問題ないです!」シリーズも再現
――片倉さんのダイエット法は、やっぱり自分のペースでできるのが魅力ですよね。「問題ないです」シリーズをはじめ、心に響くものが多いです。
片倉:今までの経験から、いろいろシフトチェンジして今のスタイルにたどり着いた感じです。先ほどもお話した通り、生配信などで視聴者さんから学ぶことも多いですし、今後も変わっていくんじゃないかと思っています。「問題ないです」シリーズは、その最たるものかもしれないです。一見ダイエット向きではないものであっても、普段の生活をしっかり整えておけば、息抜きのように取り入れていいものはたくさんありますからね。
――では、最後にこれからダイエットを始めてみようとする方々にメッセージをお願いします!
片倉:ダイエットはつらいと続かないものなので、楽しんでできるようにすることが大事。だから体重や数字にとらわれずに、自分の見た目を重視することに意識を向けてみてください。ダイエットは人生をかけてやるものではないのですし、自分の見た目が良くなることでより人生が豊かになる、そのための手段だと思って、ぜひ楽しみつつトライしてほしいです。
取材・文=弓削桃代