「泥汚れはまず乾かす!」「食べこぼし汚れは固形石鹸で落とす」洗濯スキルが格段にアップする『ナチュラルおせんたく入門』【書籍】

暮らし

更新日:2025/5/29

ナチュラルおせんたく入門
ナチュラルおせんたく入門本橋ひろえ/主婦の友社

 小さな子どもやペットがいる家庭、アレルギー体質や敏感肌の人に人気の「ナチュラルクリーニング」をご存じだろうか。

 ナチュラルクリーニングとは、合成洗剤や化学薬品を使わず、自然由来の素材で行う掃除法のこと。肌荒れや化学物質過敏症の心配が少なく、自然界への影響が少ないことから、「身体にも環境にも優しいクリーニング法」として近年支持が広がっている。

 なお「自然由来の素材」と聞くと揃えるのが面倒そうに感じるかもしれないが、使うのはドラッグストアで簡単に手に入る重曹、クエン酸、石けんなどが中心。意外と気軽にトライできるクリーニング法なのだ。

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ナチュラルおせんたく入門』(本橋ひろえ/主婦の友社)は、そんなナチュラルクリーニングのお洗濯版の入門編。著者は全国各地でナチュラルクリーニングの講座を開いている、この道のエキスパートだ。

読んで実践すると洗濯スキルが格段にアップ!

 まず本書を一読して感じたのは、この本は「ナチュラルおせんたく」の入門編であると同時に、「ナチュラル洗剤の基礎知識と洗濯のテクニック」がしっかり身につく本だということだ。

4つのナチュラル洗剤の特徴も詳しく紹介されている
4つのナチュラル洗剤の特徴も詳しく紹介されている

 本書のナチュラルおせんたくで使うのは、石けん、重曹、クエン酸、過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)という4つのナチュラル洗剤。読んでいくと、

・石けんは衣類に付いた食べこぼし汚れや皮脂汚れを落とす
・重曹は水質をアルカリ性に保つ働きをして、石けんの援護射撃をする
・過炭酸ナトリウムは除菌、漂白、ニオイの除去に役立つ
・一つだけ酸性のクエン酸は、仕上げのすすぎに使って石けんカスの予防に役立つ

 といった知識が自然と身についていく。そして、洗濯にお湯を使うことで「水では溶けにくい重曹が溶ける」「石けんも泡立ちやすくなる」ということや、「食器をお湯で洗ったときのように、洋服の汚れもお湯の方がよく落ちる」といったことも理解できるのだ。

石けんの泡立て方のほか、縦型洗濯機、ドラム式洗濯機でのナチュラルおせんたくの手順やコツも詳しく紹介
石けんの泡立て方のほか、縦型洗濯機、ドラム式洗濯機でのナチュラルおせんたくの手順やコツも詳しく紹介

「ナチュラルおせんたくはハードルが高そう……」と思っている人もいるかもしれないが、こうした知識は一度身につければ一生物の財産になる。そして、汚れのひどい洗濯物の手洗いやシミ抜き、洗面台でのつけおきなども上手に行えるようになるのだ。

 ちなみに筆者は自分の洗濯機で1週間ほどナチュラルおせんたくをしてみたが、汚れ落ちは普段使っている合成洗剤と全く遜色のないレベル。汚れが落ちきっていないニオイなどは、以前より感じられなくなった印象だ。また何より、乾いた後の香りが自然なのが心地よく、「柔軟剤とかの薬品っぽい香りがしないのが嬉しい」と奥さんにも好評だった。

ナチュラル素材でシミ抜きも上手に行える

 また本書で提示されたシミ抜きの方法も試してみた。本書を読んで感心したのは、シミ汚れが原因別に分類されていて、それぞれに適した落とし方の手順が詳しく紹介されていることだ。

シミの性質により水で汚れを落とすべきか、ぬるま湯を使うべきか、そもそも水が厳禁かなど対処法が変わることも紹介
シミの性質により水で汚れを落とすべきか、ぬるま湯を使うべきか、そもそも水が厳禁かなど対処法が変わることも紹介

 食べ物のシミでも「油分が含まれているか・含まれていないか」で対応が変わることや、泥汚れについては「湿った泥が付いている場合は、洗う前にまず乾かす」という意外すぎるノウハウも紹介されていて驚いた。

 何でも泥汚れについては、いきなり水につけてしまうと、繊維の奥まで色素が染みてしまうことがあるのだそう。外遊びを覚えたばかりで、水たまりに突っ込むのが大好きな子どもを持つ筆者には目からウロコの知識で、実際にひどい泥汚れだったズボンや靴も本書の方法でしっかりキレイになった。

子育て世代を悩ます泥汚れの落とし方が非常に役に立つ!
子育て世代を悩ます泥汚れの落とし方が非常に役に立つ!

 また、これまで何度も洗濯機に放り込んでも落ちなかった食べ物のシミも、本書の方法どおりに固形石けんでもみ洗い等をしたら、それだけでキレイすっきり落ちてしまいビックリした。

 ……という感じで、実際に読んで1週間ほど色々なナチュラルおせんたくの方法を試しただけで、筆者の日々のお洗濯のスキルは格段にアップ。肌や自然に優しい洗濯法に興味がある方はもちろん、洗濯スキルをアップしたい人にも非常にオススメの一冊だ。

文=古澤誠一郎

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