もしも、“ニンゲンの持ち方”を教えるモンスターの飼育員がいたら… SNSで大バズり『ニンゲンの飼い方』【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/6/5

 人間が“飼われる側”になる世界を描いた『ニンゲンの飼い方』(ぴえ太/KADOKAWA)。ある日、異世界に転生した人間の前に現れたのは自分より遥かに大きく、手にはトゲ、大きな口には牙のある得体の知れない魔人。恐怖を感じた人間は怯え、隠れ続けるが魔人は危害を加えるどころか人間の住環境を整えるのに腐心している様子で……。

 魔人や魔獣たちの唯一無二のキャラクターデザインと独特の世界観、なにより作品全体を包む温かな雰囲気が人気の本作。植物や小さな生物までオリジナリティが光る本作はどのようにして生まれたのか? 作者のぴえ太さんに話を聞いた。

advertisement

――『ニンゲンの飼い方』についてストーリーや設定を思いついた背景を教えてください。

ぴえ太さん(以下、ぴえ太):当時遊んでいた『Bloodborne』というゲームがあるのですが、そのゲームは敵のモンスターが主人公を掴んで攻撃してくるんです。その時、モンスターによって掴み方が微妙に違うんですよね。優しく掴んでくるモンスターもいれば、ガシッと掴んでくるモンスターもいて。その持ち方の差が面白かったのと、私は以前飼育員として働いていたことがあって。短期間ですがモルモットとかのふれあいコーナーで働いて、お客様にモルモットの抱っこの仕方を教えたりしていました。そこでモンスターがモンスターに人間の持ち方を教えていたら面白いかなと思って。それで『ニンゲンの持ち方』という短い漫画をXなどのSNSに投稿したのが、最初のきっかけです。

――そしたらかなりの反響があったと。

ぴえ太:そうなんです。すごい通知が来て、最初はスマホが壊れたのかなと思いました(笑)。もし続きを描くとしたら、飼い始めの飼い主さんとニンゲンのお話の方が面白くできそうだなと思ったので、そこからストーリーとか設定を練っていって、今の作品にたどり着きました。

――SNSに投稿した時点では数ページの作品だったものをここまで広げることになったわけですが、その際に難しさは感じましたか?

ぴえ太:難しかったですね。あらゆる動物の飼育の仕方を参考にして広げていきました。飼育員の経験もそうですが、子どもの頃には亀、今は猫を飼っていて。その経験も活きていると思います。

取材・文=原智香

あわせて読みたい