全然ニンゲンが懐かないのはトゲのせい!? 魔人が自慢のトゲを除去した理由【著者インタビュー】
公開日:2025/6/7

人間が“飼われる側”になる世界を描いた『ニンゲンの飼い方』(ぴえ太/KADOKAWA)。ある日、異世界に転生した人間の前に現れたのは自分より遥かに大きく、手にはトゲ、大きな口には牙のある得体の知れない魔人。恐怖を感じた人間は怯え、隠れ続けるが魔人は危害を加えるどころか人間の住環境を整えるのに腐心している様子で……。
魔人や魔獣たちの唯一無二のキャラクターデザインと独特の世界観、なにより作品全体を包む温かな雰囲気が人気の本作。植物や小さな生物までオリジナリティが光る本作はどのようにして生まれたのか? 作者のぴえ太さんに話を聞いた。
――主人公のトゥイミナについて伺いたいのですが、まずトゥイミナのビジュアルはどうやって出来上がっていったのでしょうか?
ぴえ太さん(以下、ぴえ太):よくわからない、既存の生き物じゃない感じを出したかったので赤くて触覚があって足も変わっていて…と、ちょっと宇宙人みたいな、タコみたいな感じになりました。
――見たことのない生き物にしたかったということは、参考にしたものは特にないですか?
ぴえ太:これ、というのはなくて、いろんな生き物を詰め込んでひとつにしたというか。虫のような触覚があって、体はタコっぽくて、深海にいそうな感じもあって……そんなところを織り交ぜて、得体が知れない感じを出してみました。
――一番初めのお話で、主人公のトゥイミナが周囲から褒められているトゲをニンゲンのために除去しますよね。そのエピソードはどうやって思いつきましたか?
ぴえ太:これは実際の生き物の飼い方を参考にしたんです。爬虫類なんですが、つけ爪をしていると天敵である鳥のくちばしを想起して怖がるらしいんですよ。だから爬虫類を飼う人はつけ爪を付けない方がいい、とどこかで聞いたのを思い出して、そこからイメージを膨らませました。
取材・文=原智香