瘴気があってペット(=ニンゲン)を飼えない魔人。猫アレルギーで猫を飼えない人と一緒!?【著者インタビュー】
公開日:2025/6/8

人間が“飼われる側”になる世界を描いた『ニンゲンの飼い方』(ぴえ太/KADOKAWA)。ある日、異世界に転生した人間の前に現れたのは自分より遥かに大きく、手にはトゲ、大きな口には牙のある得体の知れない魔人。恐怖を感じた人間は怯え、隠れ続けるが魔人は危害を加えるどころか人間の住環境を整えるのに腐心している様子で……。
魔人や魔獣たちの唯一無二のキャラクターデザインと独特の世界観、なにより作品全体を包む温かな雰囲気が人気の本作。植物や小さな生物までオリジナリティが光る本作はどのようにして生まれたのか? 作者のぴえ太さんに話を聞いた。
――主人公であるトゥイミナの友達として、キアルというキャラクターが登場します。
ぴえ太さん(以下、ぴえ太):キアルはトゥイミナの次に考えたキャラクターで。トゥイミナが「ニンゲンを飼い始めたんだ」と話をする友達が欲しいなと考えたところがスタートでした。瘴気の部分は、例えば猫を飼いたくてもアレルギーがあって飼えない方って実際にいらっしゃいますよね。そういう人たちの立ち位置で、瘴気を持つ設定にしました。キアルは手足の感じとかが人間っぽいですよね。それだけだとインパクトとか特徴が少ないかなって思ったので、わかりやすく「ニンゲンじゃない」感じを出すために目をいっぱいつけました。
――次に登場するナナはモフモフで可愛らしいキャラクターです。
ぴえ太:トゥイミナもキアルも細くてシュッとしているキャラクターだったので、ニンゲンから見たら山のような大きい体のキャラクターも欲しいなと思ってイメージしました。色もみんなと被らないように、かつ個性が出るように紫を選びました。
――魔人たちのビジュアルを考える時に、悩んだりすることはありますか?
ぴえ太:いつも結構悩みます。まず紙に最初にイメージしたものを描いてみて、パーツごとに「ここはしっくりくるな」、とかしっくりこないものは何かのっけてみたり、キアルだったら目を増やしてみたり……。と描いては消し、手を動かしながら考えています。
取材・文=原智香