全ページフルカラーの“ニンゲンの飼育本”!? リアルな指南書に近づけるための努力【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/6/9

 人間が“飼われる側”になる世界を描いた『ニンゲンの飼い方』(ぴえ太/KADOKAWA)。ある日、異世界に転生した人間の前に現れたのは自分より遥かに大きく、手にはトゲ、大きな口には牙のある得体の知れない魔人。恐怖を感じた人間は怯え、隠れ続けるが魔人は危害を加えるどころか人間の住環境を整えるのに腐心している様子で……。

 魔人や魔獣たちの唯一無二のキャラクターデザインと独特の世界観、なにより作品全体を包む温かな雰囲気が人気の本作。植物や小さな生物までオリジナリティが光る本作はどのようにして生まれたのか? 作者のぴえ太さんに話を聞いた。

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――キャラクターはもちろん世界観も独特な魅力がありますが、インスピレーションを受けている作品は何かありますか?

ぴえ太さん(以下、ぴえ太):ショーン・タンさんという絵本作家の方がいるんですが、その方の世界観がすごく好きです。それこそ独特な世界観で不思議な生き物が出てきて……。その作品からはかなり影響を受けていると思います。

――ちなみに本作はフルカラーであることも特徴のひとつだと思うのですが、それはぴえ太先生のこだわりなのでしょうか?

ぴえ太:最初に『ニンゲンの持ち方』をフルカラーで描いていたので、そのままフルカラーになったという経緯があります。それ以外にも、ペットの飼い方を教えてくれる本って、だいたいフルカラーですよね。だからフルカラーの方がより実際にある指南書のようにできるのではないかと思って、担当さんと相談しました。

――確かにそうですね。全ページフルカラーというのは大変なのではと思うのですが、いかがですか?

ぴえ太:めっちゃくちゃ大変です……! キャラクターは色が決まっているのでスポイトツールを駆使していますが、背景が問題で。背景もすべて色を塗らないといけないけど、現実の世界ではないので色も何色にするかから考えないといけないし……。でも始めてしまった以上逃げられないので(笑)。頑張っています。

取材・文=原智香

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