「ニンゲンをどう困難な状況に置くか」遊び心のある世界観が生まれた背景【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/6/12

 人間が“飼われる側”になる世界を描いた『ニンゲンの飼い方』(ぴえ太/KADOKAWA)。ある日、異世界に転生した人間の前に現れたのは自分より遥かに大きく、手にはトゲ、大きな口には牙のある得体の知れない魔人。恐怖を感じた人間は怯え、隠れ続けるが魔人は危害を加えるどころか人間の住環境を整えるのに腐心している様子で……。

 魔人や魔獣たちの唯一無二のキャラクターデザインと独特の世界観、なにより作品全体を包む温かな雰囲気が人気の本作。植物や小さな生物までオリジナリティが光る本作はどのようにして生まれたのか? 作者のぴえ太さんに話を聞いた。

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――太陽が時々ふたつになったり黒くなったりなど、独特の世界観も本作の魅力のひとつだと思います。どうやって考えていますか?

ぴえ太さん(以下、ぴえ太):人間の住んでいる世界とは全然違うという設定なので「何が起きても不思議じゃない」とかなり奇抜な感じにしてみました。あと「これは人間がひとりで生きていくには厳しいな……」と感じてほしいので、かなり厳しい環境にもなっています。

――確かに出てくる動植物も人間には優しくないですよね。こういう展開にしよう、と考えてから動植物を考えているんですか? 動植物を考えてから展開を考えますか?

ぴえ太:展開が先ですね。ニンゲンをどう困難な状況に置くか考えて、そのためにはこんなものがあったらいいかな、と。

――この世界で使われている文字の一覧が特典になっているのを拝見して。本作の世界観を愛している読者の方がたくさんいらっしゃるんだなと感じました。

ぴえ太:漫画に出てくるほとんどの名称は、ひらがなで考えた時に上下どちらかに一つずらすと読めるんですよ。これに結構最初の段階で気付いてくれた読者の方がいらっしゃって。もともと文字の設定は世界観を作るため、気付いてくれた人たちに遊んでもらうために作ったので、気付いてもらえた時は嬉しかったです。

取材・文=原智香

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