猫の存在自体が愛おしい…! 猫になった主人公がブラック企業をホワイト化していく話を思いついた理由【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/6/5

 連載開始から7年、多くの人から愛される人気漫画「ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話」シリーズ。ある朝起きたら猫になっていたモフ田くんとその同僚たちの日常と、変化していく会社の環境を描き、現在7巻まで発売されています。転職活動をするハチ谷くん、家猫になったトラ雄さん、働きたくない猫くろべぇと4匹の主人公で連載されてきた本作について、著者の清水めりぃさんに聞きました。

――「ブラック企業の社員が猫になる」という設定を思いついたのはなぜですか?

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清水めりぃさん(以下、清水):最初はあまり何も考えていなくて。自分が一番好きな題材で漫画を描こうと考えた時に、ぱっと思い浮かんだのが猫だったんです。“ブラック企業”という部分については、私がもともとブラック企業で働いていたので。1年で辞めてもう結構年数が経っているのですが、やっぱり強烈な印象が残っています(笑)。その時の経験をコミカルに描けたらいいなと思ったのがきっかけです。今は別の会社で働いているのですが、とても働きやすい環境で、漫画を描くことにも理解があります。残業は繁忙期以外ほとんどありませんし、結構前のことですが多忙だった時はタクシーチケットを貰ったこともありました。そういった今の会社でのエピソードは、ホワイト化した後の企業の話(5巻)で出していっていますね。

――清水さんが考える猫の魅力はなんですか?

清水:もう全てというか、存在自体が愛おしいですね。小さい頃から姉妹みたいに猫と暮らしてきたので、その子が亡くなってしまった時はもう体に大きな穴が開いたみたいな状態になってしまって。「猫のいない生活なんてもうダメだ、辛すぎる」となり、「また猫を飼って、幸せにしてあげたい。先代にはできなかったこともしてあげたい」と思うようになりました。

――SNSに投稿したらかなりの反響があったとのことですが、当時の心境は?

清水:本当に衝撃で「こんなことが起こるんだ!」という感じでした。信じられないというか。それでいろいろな出版社さんから書籍化のお話をいただいたのですが、その時ちょうど転職直後だったんです。なので「本職を優先できる範囲でお引き受けしよう」と思って。今の編集者さんにそのあたりもお話しして「この人とだったらきっとやっていけるな」と思って連載を始めました。今も担当いただいていて、悩んだ時などは相談しながら決めています。

取材・文=原智香

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