仕事を優先してきた父親が猫に転生した。その時、家族は受け入れられるのか…?【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/6/12

 連載開始から7年、多くの人から愛される人気漫画「ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話」シリーズ。ある朝起きたら猫になっていたモフ田くんとその同僚たちの日常と、変化していく会社の環境を描き、現在7巻まで発売されています。転職活動をするハチ谷くん、家猫になったトラ雄さん、働きたくない猫くろべぇと4匹の主人公で連載されてきた本作について、著者の清水めりぃさんに聞きました。

――4巻からは家族、家庭の話がテーマになっていきます。

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清水めりぃさん(以下、清水):ブラック企業に勤めている人って、辞めたくても辞められなくてズルズル居続けて、結果家庭をないがしろにしてしまうこともあるかなと考えました。その思いから少し視点を変えて、このお話にたどり着きました。なのでお父さんはもともとブラック企業で働いていた設定なんです。これまで家族をないがしろにしてきたから、現在家族は分断しているという問題があって。それが猫になったことで最終的に問題が解決して家庭が円満になる……というところまで考えていたので、お父さんを猫にすることにしました。

――家族は猫になったお父さんを比較的温かく受け入れますよね。子どもたちが偉いなぁと思いました。

清水:多分単純に息子が猫好きという設定だったからこうなったのかなと思います。でもなんだろうな、「自分だったらこうするかな」と考えながら描いていた記憶がありますね。でも若い女性の読者の方とかは「父親が猫になっても複雑」「ちょっと嫌」みたいな感想もあって。その気持ちもわからなくもないですね(笑)。

――5巻はビッグキャッツプロジェクトという猫ちゃん大集合でお話が進んでいきますね。猫関連の商品を開発する過程だったり、お仕事漫画としても楽しく拝見しました。

清水:これは、「1〜2巻の主人公だったモフ田くんを再登場させてあげたい」という気持ちから考え始めたお話です。ブラックを経験したみんながホワイト企業で集結するという、アベンジャーズみたいなお話を描いてみたいなと思って、これまでの主人公を全員登場させました。私がこれまで仕事としてやってきたこととはまたちょっとベクトルが違うので、「こんな感じでいいのかな?」と迷う時もありましたね。3巻の主人公のハチ谷くんはすごい人気だったので、「ハチ谷くんがまたたくさん登場して嬉しい」という声もかなりいただきました。

取材・文=原智香

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