猫に生まれ変わったからには、働かず家猫を目指したい! “働かないこと”を目標に頑張る。元ブラック企業の社員が転生した話【著者インタビュー】
公開日:2025/6/13

連載開始から7年、多くの人から愛される人気漫画「ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話」シリーズ。ある朝起きたら猫になっていたモフ田くんとその同僚たちの日常と、変化していく会社の環境を描き、現在7巻まで発売されています。転職活動をするハチ谷くん、家猫になったトラ雄さん、働きたくない猫くろべぇと4匹の主人公で連載されてきた本作について、著者の清水めりぃさんに聞きました。
――6〜7巻では主人公が代わり、家猫を目指す黒猫のくろベぇになりました。
清水めりぃさん(以下、清水):5巻までの猫のキャラクターって、みんな人間として働いていく選択をしているんですよね。6〜7巻の主人公のくろべぇは、猫になったからには猫のように生きようと考えるキャラクターなんです。“働かない”ことを目標として頑張っているキャラクターを主人公にして、これまでとはまた違うお話を描いていこうとスタートしました。
――今までのお話を聞いていると、清水さんはこれまで真面目に働かれてきた方だと思うんです。なのでくろべぇとは似ていない性格なのではと感じるのですが。
清水:いや、私もお話が思いつかない時は一回放り投げるというか(笑)。そんな時もあるので、そういう私の突飛なモードの延長線上にいるのがくろべぇなんだと思います。今まで考えてきたキャラクターって、割と自分の中に存在しているものを大きくしてく、みたいな作り方をしているんですよね。自分と縁遠いキャラクターはあまり出したことがないです。
――ではくろべぇというキャラクターはスムーズに出来上がったんですか?
清水:いや、かなり難産でしたね。本当はクロセという、全然違うキャラになるはずだったんです。ちょっと暗い感じの話だったのですが、自分の中であまり暗い話は描きたくないなと思って。それまで考えたものを一度全部捨てて、新しく考え直したのがくろべぇなんです。いいアイディアが浮かぶ瞬間って本当に一瞬なんですよ。お風呂の後に髪を乾かしている時だったり、通勤時間とか移動の時にパッとひらめくというか。逆に悩んで考え込んでしまう時ほど話があまり面白くなかったりして。くろべぇは一瞬でひらめいたキャラクターだったので、手応えはありました。
取材・文=原智香