義母にされた壮絶な「嫁いびり」。ラスボス級の義母との戦いを描いた人気漫画『義母クエスト』【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/6/15

 自身が受けた姑からの壮絶な嫁いびりの記録を「毎日が発見ネット」で連載していたかづさん。その連載が好評を博し、漫画化されたのが「義母クエスト」シリーズです。年上男性・秋彦さんから強く求婚され、結婚を決めたかづさん。しかし秋彦さんの母は結婚に猛反対。秋彦さんは母親よりかづさんを選ぶと言い、両親と縁を切って結婚。ふたりは幸せな夫婦生活を送るはずが……。

 義母のかづさんへの想像を超える嫁いびりの数々と、かづさんのへこたれない不屈の精神が見どころの『義母クエスト 〜結婚したらいきなりラスボス戦でした〜』『義母クエストリターンズ 〜ヤバすぎる義母との負けられない30年戦争〜』(ともにかづ:原案、赤星たみこ:漫画/KADOKAWA)。当時のリアルな心境から後に認知症となった義母とのその後、自身も義母となった現在の生活まで、原作者のかづさんに伺いました。

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――「義母クエスト」シリーズはエッセイでの連載が原作です。連載を始めたきっかけはなんだったのでしょうか?

かづさん(以下、かづ):最初に「毎日が発見ネット」さんから「書いてみませんか?」とお話をいただいた時は連載だとは思っていなくて。多くても数回くらいの話だろうと思って引き受けました。ところが数話入稿した時点で「連載で」と言われてびっくり。その時もまだ3カ月程度だろうと思っていたので、こんなに続くとは思っていませんでした。

 実はこの連載の前に「本を出してみませんか?」と某出版社から打診があったんです。でも話が進むにつれ「こっちの言う通りに書いてください」と言われるようになって……。「捏造しろと言うんですか?」と編集者と揉めました。「普通の主婦の書いたものを誰が買いますか? 売れる本を作りたいのでね」と言われて私も「こちらから頼んでないですよね? 読者を騙す訳にはいかない!」と決裂したんです。毎日が発見の担当さんは自由に書かせてくれたので、とても感謝しています。

――今は息子さんもご結婚されてお孫さんも生まれているとブログで拝見しました。となるとシリーズに書かれているエピソードはかなり前のものになると思うのですが、どのように思い出しましたか?

かづ:特に記録はしていないのですが、私、恐ろしいくらいに記憶力が良いんです。誰が何を言って何をしたか、義母とのことに限らず詳細まで覚えているんです。ですので小さい頃から「え? そこまで覚えてるの?」と驚かれる場面も多かったです。それにいじめ問題でもそうですが、加害者がすっかり忘れ去ったことでも、被害者は覚えているものです。そういう意味で義母とのやり取りは強く記憶に残っているんだと思います。

――エピソードは思い出すのも辛かったと『義母クエスト 〜結婚したらいきなりラスボス戦でした〜』の巻末でおっしゃっているのを拝読しました。その中で連載をするモチベーションになったものはなにかありますか?

かづ:確かにエピソードを思い出す際に「あの時は辛かったなぁ」と胸が締め付けられて脈が速くなり「動悸か? あぶないあぶない…」と思うこと多々でした。おまけに執筆中に夫がのんきに隣でテレビを見ながら笑っていたりすると、「こいつはよく笑っていられるな。誰のおかげだと思ってんだ」と一発殴ってやりたくなることも(笑)。

 ただ本当に「毎日が発見ネット」の担当さんが褒め上手で、「面白かったです。ドキドキしました」とか「腹が立ちました……よく我慢できましたね!」と毎回原稿の感想をくださるんです。読者の方からも「同じことを今義母からされています」だったり「励みになります!」とコメントをいただいて。それに励まされました。

取材・文=原智香

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