幸せな結婚生活のはずが、待っていたのは想像を絶する「嫁いびり」だった。なぜそこまで義母に嫌われていたのか…【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/6/16

 自身が受けた姑からの壮絶な嫁いびりの記録を「毎日が発見ネット」で連載していたかづさん。その連載が好評を博し、漫画化されたのが「義母クエスト」シリーズです。年上男性・秋彦さんから強く求婚され、結婚を決めたかづさん。しかし秋彦さんの母は結婚に猛反対。秋彦さんは母親よりかづさんを選ぶと言い、両親と縁を切って結婚。ふたりは幸せな夫婦生活を送るはずが……。

 義母のかづさんへの想像を超える嫁いびりの数々と、かづさんのへこたれない不屈の精神が見どころの『義母クエスト 〜結婚したらいきなりラスボス戦でした〜』『義母クエストリターンズ 〜ヤバすぎる義母との負けられない30年戦争〜』(ともにかづ:原案、赤星たみこ:漫画/KADOKAWA)。当時のリアルな心境から後に認知症となった義母とのその後、自身も義母となった現在の生活まで、原作者のかづさんに伺いました。

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――お姑さんと出会った時の第一印象を改めて教えてください。

かづさん(以下、かづ):初めて会った時は、本当にきれいな人だと思ったんです。でも漫画に描かれているように私に向けられた目はぞっとするくらい冷たくて蔑むようでした。さらに次々と嫌味を浴びせてきて、もうすでに嫌われているのは明らか。その時は初対面なのにどうしてそこまで嫌われるのか理解できませんでしたが、後々わかって。夫は30過ぎても彼女すらいなく、そのうちにいとこたちは次々と結婚していっていたんですよ。だから家柄の良いお嬢さんを嫁に迎えて一発逆転するつもりだったのに「こんな自慢できないのが嫁だなんて」ってさぞやがっかりしたんだと思います。「1日も早く追い出さなければ!」と思ったんでしょうね。

――作中にはあまり出てきませんが、お義父さんはどんな方でしたか?

かづ:とにかく空気のようでした。夫も含めて義母の気に障るようなことをしない、義母のご機嫌を取る父子でしたね。みんなでデパートに買い物に行っても義父は入口近くの椅子にそそくさと座ってしまうんです。そしたら義母は「ビールでも飲んどき!」と言って中に入る。数時間後、買い物が終わってデパートの入り口に戻ると、缶ビールを片手に義父が椅子に座っているんですが、「遅かった」とも「何を買ったのか」とも聞きません。食事に行っても義母は義父の食べるものを「あんたはこれにしとき!」と勝手に決めて、義父は何も言いません。まさに「言いなり」状態でした。

 晩年義母の介護問題が上がった時に、「僕はかづをいじめてないから、僕の面倒は見てくれるやろ?」と言った時、本当に自分のことしか考えていないんだと思いました。子どもが幼少の時、義父の誕生日に高熱を出したことがあったんですが、義父は子どもの枕もとで「僕の誕生日やのに」と発言したり、義母が亡くなりかけて病院からすぐに来てくれと連絡が来た時も「僕も行くの? なにしに?」と言ったり。その時は「旦那やからや!」と私が怒鳴りました(笑)。まぁ、義母も義父も同じようなもんです。

――もし結婚を決める前のかづさんに今のかづさんから一言アドバイスできるとしたら、なんと言いたいですか?

かづ:アドバイスなんかしません、必死で止めます。「目を覚ませ!」と(笑)。これからこの男はこんなことやあんなことをしでかすし、義母から想像を絶する嫁いびりをされると説得します。それでも当時の私は「親と縁を切る」と言った夫の言葉を信じていたので、私の言葉は信じないでしょう。それこそ『義母クエスト』の書籍を見せて、「こいつはわずか数カ月で寝返るんや! 義母からはこんな目に遭うのに一切守ってくれへん!」と言います。言うと思う、じゃなくて絶対言います(笑)。

取材・文=原智香

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