結婚に猛反対する義母から守ってくれると誓った夫。ところが結婚後、豹変。なぜそんなに無関心でいられるの?【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/6/17

 自身が受けた姑からの壮絶な嫁いびりの記録を「毎日が発見ネット」で連載していたかづさん。その連載が好評を博し、漫画化されたのが「義母クエスト」シリーズです。年上男性・秋彦さんから強く求婚され、結婚を決めたかづさん。しかし秋彦さんの母は結婚に猛反対。秋彦さんは母親よりかづさんを選ぶと言い、両親と縁を切って結婚。ふたりは幸せな夫婦生活を送るはずが……。

 義母のかづさんへの想像を超える嫁いびりの数々と、かづさんのへこたれない不屈の精神が見どころの『義母クエスト 〜結婚したらいきなりラスボス戦でした〜』『義母クエストリターンズ 〜ヤバすぎる義母との負けられない30年戦争〜』(ともにかづ:原案、赤星たみこ:漫画/KADOKAWA)。当時のリアルな心境から後に認知症となった義母とのその後、自身も義母となった現在の生活まで、原作者のかづさんに伺いました。

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――ご主人はかづさんと結婚するため、最初ご両親と縁を切ります。しかしお姑さんは何食わぬ顔で電話をかけてきたとエピソードにはありました。当時のかづさんの心境を教えてください。

かづさん(以下、かづ):息子である夫から縁を切られているのに「私の言いなりになれ」と電話をしてきているので、「何が起こった?」とまず疑問に思いました。そして「この人は嫁だけでなく息子のことも舐めてるな」と思いましたね。さらに帰宅した夫にそのことを伝えれば激怒して義母に電話をしてくれると思っていたんですが、連載に書いたように夫は無関心。たとえ嫁いびりをされたとしても、夫の理解があればどんな苦労でも乗り越えられると思っていたのでそれはかなりの衝撃でした。私の戦いが始まった瞬間です。

――この時に限らず、夫である秋彦さんはかづさんとお姑さんとの問題にはノータッチであることが多いですよね。

かづ:正直言って、当時、夫の言動全てが理解できませんでした。結婚前に私の両親の前でも友人たちの前でも、あれだけ私を大事にするだの守るだのと言っておきながら「この豹変ぶりは何だ?」と。しかも嫁いびりというのはだいたい陰でするのが定番なのに、義母は人目をはばからず誰の前でも平気でいびるんですよ。そんな自分の母親を目の前にして、なぜこの男は無関心なのか? 理解できませんでした。

 けれども夫は、嫁姑問題だけでなく全てに無関心なんです。我が子が病気になろうと私が高熱を出そうと「僕のご飯は?」でしたし、外でお弁当を買ってくるように言うと「車の中で食べてきた」と言って手ぶらで帰宅。義父もそうだし、夫の家族全員が自分のことだけしか考えない人たちだったんですよ。

――今、ご夫婦で当時を振り返ることはありますか? 秋彦さんはなんとおっしゃっていますか?

かづ:私は会話にも出しますが、夫は決して振り返らない、というか9割以上覚えていません。私が作り話をしているかのように「そんなことはなかった! そこまでじゃなかった」と言います。いじめ問題でも同じことがいえますが、加害者は覚えていないんですよね。ましてや夫にしてみれば多くは母親がやったことなので、そもそも無関心な夫が覚えている訳がない。夫は「知らなかった」「なかった」と言えば自分は責められないと思っているけど、「私は一生忘れんから」と言ってます。

取材・文=原智香

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