その日の行動、献立、冷蔵庫の中身までチェックする義母。そこまで嫁いびりをする理由は?【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/6/18

 自身が受けた姑からの壮絶な嫁いびりの記録を「毎日が発見ネット」で連載していたかづさん。その連載が好評を博し、漫画化されたのが「義母クエスト」シリーズです。年上男性・秋彦さんから強く求婚され、結婚を決めたかづさん。しかし秋彦さんの母は結婚に猛反対。秋彦さんは母親よりかづさんを選ぶと言い、両親と縁を切って結婚。ふたりは幸せな夫婦生活を送るはずが……。

 義母のかづさんへの想像を超える嫁いびりの数々と、かづさんのへこたれない不屈の精神が見どころの『義母クエスト 〜結婚したらいきなりラスボス戦でした〜』『義母クエストリターンズ 〜ヤバすぎる義母との負けられない30年戦争〜』(ともにかづ:原案、赤星たみこ:漫画/KADOKAWA)。当時のリアルな心境から後に認知症となった義母とのその後、自身も義母となった現在の生活まで、原作者のかづさんに伺いました。

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――かづさんのお家の冷蔵庫を抜き打ちチェックして「ほうれん草が残っているのになぜキャベツを買ったの?」と言うお姑さんの言葉は、個人的にとても印象に残っています。

かづさん(以下、かづ):「ほうれん草とキャベツは別物ですが?」という感じですよね(笑)。だから「なぜキャベツを買ったの?」と聞かれても、「キャベツとほうれん草は作るメニューが違うからね?」と頭の中で突っ込んでいました。義母からすると、とにかくネタはなんでもいいんです。ふたりに離婚してほしいけど、こちらから嫁を追い出すと息子が慰謝料を払わなければならない。だから嫁が自主的に出て行くようにあの手この手、とにかく手を緩めません。この嫁と別れさせることが息子のためになる“正義”だと思っているので、義母も義母で負けられないんですよ。もちろん私も負けません(笑)。

――この後、秋彦さんにくぎを刺してくれたかづさんのお父様のエピソードもあります。夫も味方になってくれない中、実のお父様とお母様はとても頼りになる存在だったのではないでしょうか。

かづ:そうだったのですが、お盆も年末年始も一切実家に帰してもらえなかったんです。結婚したのに実家に帰りたいなんて常識がない。親の育て方が悪い」と。挙句子どもにも「あんたのお婆ちゃんとお爺ちゃんは私らふたりだけやからね」と言いだすようになって。父から1月の中頃になって電話がかかってきて、「奉公人でも盆と正月には家に帰してくれるのに、お前は奉公人以下の扱いか!!」と激怒したことは今でも忘れられません。父は私が泣き付けば即義実家に怒鳴りこみに行って離婚をさせる気満々でしたが、私が泣き言を言わないので「泣き言のひとつも言うてくれたら可愛いのに」と言ってました。「あなたが育てた娘なので、泣き言なんて言わないんですよ」と思っていましたね。

――毎日電話で粗探しをして嫌味を言う、というのはお姑さん側からしてもかなり時間を費やす作業かと思うのですが、どのくらい続いたのでしょうか?

かづ:義母と同じマンションに引っ越すまで続きました。電話口撃自体は徐々に回数は少なくはなりましたが、その分義母がアポなしで来たり、呼びつけられて泊りがけで家事をしに行ったり。義母からの嫌味や嫌がらせ自体は毎日でしたね。嫁いびりが終息したのは認知症を発症した時です。義母は嫁いびりをしたことなどまったく忘れてしまい「これだけ嫁に良くしてもらえるってことは、私がよっぽど嫁孝行してきたからなのね♪」と言っていましたから羨ましい話です(笑)。

取材・文=原智香

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