カーテンを刻まれ、下着を捨てられ… 私は義母のサンドバッグだった。姑との戦いの日々【著者インタビュー】
公開日:2025/6/21

自身が受けた姑からの壮絶な嫁いびりの記録を「毎日が発見ネット」で連載していたかづさん。その連載が好評を博し、漫画化されたのが「義母クエスト」シリーズです。年上男性・秋彦さんから強く求婚され、結婚を決めたかづさん。しかし秋彦さんの母は結婚に猛反対。秋彦さんは母親よりかづさんを選ぶと言い、両親と縁を切って結婚。ふたりは幸せな夫婦生活を送るはずが……。
義母のかづさんへの想像を超える嫁いびりの数々と、かづさんのへこたれない不屈の精神が見どころの『義母クエスト 〜結婚したらいきなりラスボス戦でした〜』『義母クエストリターンズ 〜ヤバすぎる義母との負けられない30年戦争〜』(ともにかづ:原案、赤星たみこ:漫画/KADOKAWA)。当時のリアルな心境から後に認知症となった義母とのその後、自身も義母となった現在の生活まで、原作者のかづさんに伺いました。
――カーテンを切り刻まれ、下着を捨てられる事件も衝撃でした。
かづさん(以下、かづ):普通、無断でカーテンを捨てます? いくら息子宅であっても、勝手に外して捨てます? もう義母にとっては「俺の物は俺の物、お前の物も俺の物」なんだと思いましたね。それもゴミ捨て場に拾いに走るとズタズタに切り刻んであって。ハサミを家から持って来たんだと思うと、用意周到な嫁いびりだなと思いました。こいつが逃げ出して出て行くまでは、どんなことでもしてやると思っていたんでしょう。私は気の合わない人とは距離を取るタイプなので、ガンガン来る義母が理解できませんでした。そしてそれを「悪気はないから」と言う夫にも、腹が立つやら呆れるやらで。「悪気しか感じられませんやん? これを『悪気がない』って言う人って、全世界に何%くらいいる? 負けてたまるか!!」……そんな心境でした(笑)。
――(笑)さすがです! 読み手としてはお姑さんの沸点というか、文句を言うポイントが予測できないのですが、かづさんの中ではお姑さんがキレるポイント、法則のようなものはありましたか?
かづ:キレるポイントと言うよりも、四六時中私にはキレているし嫌がらせや嫌味しか言わないので。起きている時間全て私をいじめる方法を考えていたんだろうなと思います。嫌いな嫁を家政婦のようにこき使い、食事をする際には「さぁ食べよか。口に合う物はないけど〜」と細かい部分まで埋めるように嫌味を言います。サンドバッグみたいなものだったんでしょうね。私の隣で友達に電話をかけると延々と私の悪口を私の方を向いて微笑みながら話しているし。そうかと思えば「息子が○○してくれるのよ〜」と嘘八百の自慢話をしていて、哀れだなとも思っていました。
――お姑さんに攻撃されないためにやってみた対策などはあったのでしょうか?
かづ:キレられないために何か対策を取ったところで、その取った対策がまた気に入らなくてキレるの繰り返しでした。掃除が綺麗にできていたら家中をチェックし回って粗探しをするし、料理が上手にできていたら「○○(老舗高級料亭)より味が落ちるわ!」と言いだすし、子どもに手作りの服を着せていたら「みすぼらしい!」と言うし……。この人の前では何がどうであっても文句を言われるんだと諦めて、「うるせー!」とか「やかましいわ!」とか心の中でその都度吐いていましたね。自分を大事に大切にできるのは自分だけ。もう夫に対しても「この人は守ってくれない」と早々に割り切っていたので、人として親として恥ずかしくない人生を送ろうと心掛けていました。いじめてやろうと思っている人にとっては理由なんてなんでもいいので、対策をしても無駄です。
取材・文=原智香