執拗な嫁いびりをするヤバい義母との戦いを描いた『義母クエスト』。憧れの漫画家・赤星たみこ先生に作画が決まり…【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/6/22

 自身が受けた姑からの壮絶な嫁いびりの記録を「毎日が発見ネット」で連載していたかづさん。その連載が好評を博し、漫画化されたのが「義母クエスト」シリーズです。年上男性・秋彦さんから強く求婚され、結婚を決めたかづさん。しかし秋彦さんの母は結婚に猛反対。秋彦さんは母親よりかづさんを選ぶと言い、両親と縁を切って結婚。ふたりは幸せな夫婦生活を送るはずが……。

 義母のかづさんへの想像を超える嫁いびりの数々と、かづさんのへこたれない不屈の精神が見どころの『義母クエスト 〜結婚したらいきなりラスボス戦でした〜』『義母クエストリターンズ 〜ヤバすぎる義母との負けられない30年戦争〜』(ともにかづ:原案、赤星たみこ:漫画/KADOKAWA)。当時のリアルな心境から後に認知症となった義母とのその後、自身も義母となった現在の生活まで、原作者のかづさんに伺いました。

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――本作は映画『シャイニング』のポスターをオマージュしたようなコマがあったり、かづさんのお洋服が女剣士風になったり、絵としても面白さが満載です。作画の赤星たみこ先生とはどんなやり取りがありましたか?

かづさん(以下、かづ):まず私たちの世代、かつ漫画好きなら誰でも知っている赤星先生が作画を担当してくださると聞いて、そりゃあ驚きました。「あんな有名な先生が? むしろよろしいんでしょうか?」という気持ちでしたね。最初の打ち合わせは編集さんたちと先生とオンラインで行われたのですが、赤星先生はとても原作を読み込んでくださっていて。最初の打ち合わせの時から「そうねぇ。あの時代はそうだったわよねぇ」ととても理解してくださり、私は「本物の赤星先生だー!」と興奮し切りでした。赤星先生はキャリアのある先生なのにまったく偉ぶることなくフランクにお話しくださって、「どうぞ好きに描いてください!」と思わず口にしていたくらい。赤星先生が原作をご自分に落とし込んで描かれるので、どんな作品になるのか私も毎回楽しみにしていました。

――初めて原稿を見た時はどんな気持ちになりましたか?

かづ:まずもう「そばで見てたんか!?」と思うくらいのリアリティで驚愕しました。あらかじめ義両親の写真を提供し、夫激似の俳優さんを指定していたのでもう漫画は本人たちにそっくりです。本当に漫画家さんって素晴らしいなと。先生と私は同年代なのですが、これがお若い漫画家さんだったら原作を読んでも恐らく理解できない点が多々あっただろうと思います。漫画の細かな備品や背景などにも時代を感じさせるポイントがちりばめられているので、ぜひ読み返しながらその点をチェックしてほしいですね。

――漫画化された中で、かづさんが一番気に入っているエピソードがありましたら教えてください。

かづ:子どもが生まれて「嬉しい! 嬉しい!」と言っているシーンです。あの時は本当に嬉しかったし、幸せでした。義母からの壮絶な嫁いびりが本格的に始まると思っていなかったし、親を捨てるとまで言った夫が義母に寝返るとも思っていなかったですしね。あのシーンは何度見ても「この時は本当に幸せだったなぁ…」と見入ってしまいます。

取材・文=原智香

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