「支配したがり」両親に反抗的な態度をとる長女に対し、父親がキレかけたその時!【漫画家インタビュー】
公開日:2025/7/8

念願のマイホームを建て、新生活を始めた瀧本一家。しかし、主人公の美咲は父親との確執を抱えたままで、昔のような仲良し家族に戻る気持ちはなかった。唯一心を許せる弟・浩介と共に家を出るきっかけを探していたところ、部屋の壁から不気味な音が聞こえてきて……。漫画家・勝見ふうたろー氏が描く、何かが少しおかしい世界の物語。
食事中、両親と口論になる美咲。父親は自身の非を認めたうえで「新しい土地で一からやり直したい」と理解を求めるが、美咲は真っ向から拒絶する。堪忍袋が切れかけた父親。しかし浩介が機転を利かせてその場は収まり、自室に戻った美咲は浩介に感謝しつつ、自らの行動を振り返る。そのとき、壁からまた不気味な音が……。
魅力的な主人公にするための工夫
――主人公・美咲の設定について教えてください。
いろいろな考え方があると思うんですけど、こういう雰囲気の作品では、若い女の子を主人公にするのが面白いと思ったんです。行動力があるし、感情表現も豊かそうですよね。怖い目に遭ったり、辛い経験をしたり、ダメージを受けたりしたときのリアクションが描いていて楽しいかなと思って。それで、女子高生くらいのキャラクターにしたという感じです。
あと見た目の話なんですけど、僕、普段あんまり「かわいい女の子」を意識して描くことがないんですよね。でも、せっかく主人公を女の子にするんだったら、僕のなかで「これがかわいいな」って思う基準でデザインしてみました。
――勝見先生の女の子、とてもかわいいと思います。
ありがとうございます。影響を受けた作家さんや漫画から学んだことが多いですかね。たとえば、大学生のときに読んでいた『フィール・ヤング』とか、若めの女性向け漫画雑誌で連載されている作品をよく読んでいました。レディースコミックと呼ばれるジャンルになるのかな。そういった漫画の主人公はほぼ女性なので、女性キャラクターの造形や描き方にはその影響を受けています。
――作画で意識しているポイントはありますか?
たとえば、まつ毛の描き方や眉毛のディテールでは、アップになったときにどう見えるか、目の周りの表現を細かく考えながら描いています。
引きのシーンでは、全体的にシリアスなトーンのなかでも、コメディっぽいドタバタした場面を入れることがあるので、リアルさを崩して誇張したコメディタッチの表情にすることも意識しています。そういう崩し方で、魅力的な表情を描けるように工夫していますね。
建設作業員が遭遇した奇妙な植物、そして美咲の部屋から聞こえた異音の正体は? 家族の絆をより深めるはずの新居を舞台に、この不可解な物語はどんな結末を迎えるのだろうか。