家の壁から聞こえる奇妙な音を警察に相談していると、山に変な人物が現れたとの通報が【漫画家インタビュー】

マンガ

公開日:2025/7/10

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 念願のマイホームを建て、新生活を始めた瀧本一家。しかし、主人公の美咲は父親との確執を抱えたままで、昔のような仲良し家族に戻る気持ちはなかった。唯一心を許せる弟・浩介と共に家を出るきっかけを探していたところ、部屋の壁から不気味な音が聞こえてきて……。漫画家・勝見ふうたろー氏が描く、何かが少しおかしい世界の物語。

 壁の中の「なにか」について同級生に相談すると、彼女は警察官の父親を紹介する。しかし、現時点で警察が動く案件ではないことがわかると、同級生は自分たちで解明すると意気込む。その一方、「山に不審者がいる」との通報を受けた警察が現場に向かうと、そこには生物学者・穴水がいて「この山には世紀の大発見が眠っている」と語る。

生き物らしくない形の生き物

――『家という名の』のアイデアを着想したきっかけを教えてください。

いくつかの経験や元ネタがアイデアの元になっていますが、「全然生き物らしくない形のものが生き物だったら面白い」という発想がきっかけの一つでした。

――参考にされた生き物はたとえばどんなものがありますか?

たとえば、タコは自身の体表の模様を変え、全く異なる質感の岩などに擬態し、本当にそっくりに化ける能力があります。僕はそうした生き物の動画を見るのが好きで、観察するうちに、「さらに進化した生き物が存在したらどうなるだろう」と想像を膨らませました。

そうしてひらめいたのが、「人間が作った直線的でつるりとした人工物に擬態できる生き物がいたら面白いんじゃないか」という発想です。

 建設作業員が遭遇した奇妙な植物、そして美咲の部屋から聞こえた異音の正体は? 家族の絆をより深めるはずの新居を舞台に、この不可解な物語はどんな結末を迎えるのだろうか。

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