好きな人のために痩せたい!でも彼の気持ちは…? 共感必至の両片思いダイエットラブコメ【漫画家インタビュー】

マンガ

公開日:2025/6/25

 最新の書籍や人気の漫画作品の情報を発信する「ダ・ヴィンチWeb」。今SNSを中心に話題を集めているホットな漫画を、作者へのインタビューを交えて紹介する。

 取り上げたのは、ぽっちゃりOLのジタバタ奮闘ラブコメ『痩せれませんよ?もちやさん』。2022年からInstagramで連載が続く本作は、X(旧Twitter)でも話題を呼び、着実にファンを増やし続けている。

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 作者・矢尾いっちょ(@1203Yao)さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。

 恋する会社員・餅屋さんは、ぽっちゃり体型。同僚の白米くんに告白するため、「痩せてきれいになる!」と決意する。

 でも実は、その白米くんは、今の餅屋さんの姿に惹かれているようで……?

「好きな人に振り向いてほしいのに、痩せられない!」と嘆く餅屋さんが、いじらしくて愛おしい。そんなふたりのすれ違う気持ちにキュンとする、共感度120%のダイエットラブコメディだ。

数々のダイエット経験と体型への思いが、共感を生む土台に

ーーこの作品を描こうと思ったきっかけや、その理由を教えてください。

 SNSで作品を投稿していく中で、「共感性の強い作品づくり」を目指したのがきっかけです。

 そのうえで「ダイエット」や「恋愛」など、多くの人が意見を持ちやすく、共感を得やすいテーマを絡めて、設定を練り上げていきました。

ーーこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントを教えてください。

「ダイエット」がひとつのテーマなので、作中に出てくる食べ物は少しでもおいしそうに見えるように心がけて描いています。

 そして、そんな料理を前にして「食べるかどうか」を悩む餅屋さんの姿は、ぜひ注目してほしいポイントです(たいてい食べてしまうんですけどね)。

ーー特に気に入っているシーンやセリフを教えてください。

 はじめてジムに行った回で、ゆかりちゃんが初登場するシーンの餅屋さんの表情がとても気に入っています。

 この作品は“共感性”が大きな武器だと思っているので、ヒロインがただ「可愛い」だけでなく、さまざまな喜怒哀楽を見せることが作品の魅力につながると感じています。

 感情によって大胆に変わる表情——いわゆる“変顔”を思いきり描けるのも、作者としてとても楽しいですね。

ーーこの作品のもうひとつの大きな魅力である“両片思い”ですが、なかなか気持ちが通じないもどかしさが読者の胸をくすぐります。このすれ違いの関係を描くうえで、意識していることや楽しんでいるポイントはありますか?

 ふたりの恋愛は、白米くんが「体型なんて関係ない! 好きだ!!」と素直に言えれば、それで結ばれる関係なのです。

 でも、そうできない彼の“恋愛下手”な部分を、どう魅力的かつおもしろく描くかを常に意識して制作しています。

ーー作中の恋愛観や体型への意識など、ご自身の価値観とリンクする部分はありますか?

 好きな人に魅力的に見られたいと思って努力する餅屋さんの気持ちは、私自身もすごくよくわかります。

 また、自分にとってはコンプレックスだと感じる体型も、他人の目には魅力的に映ることがある——そんな価値観の違いも、実際に経験してきたことのひとつです。

ーーダイエットの挑戦回数は人並み以上と、1巻のあとがきでおっしゃっていますが、一番印象に残っている方法や、そのときのエピソードを教えてください。

 一番印象に残っているのは糖質制限ダイエットです。ほぼ糖質を抜いた生活をして、それなりに体重は落ちたのですが……あまりにもお米が恋しくなって、ずっとイライラしていました。結局1週間も経たないうちに中華屋さんに飛び込み、そこからは反動でモリモリ食べてしまい、すぐにリバウンド。

 今にして思えば、自分に合ったペースで徐々に制限をしていれば、もっと健康的に痩せられたのかなと反省しています。

 でも、あの日食べたラーメンと半チャーハンのセットは、ここ最近でいちばんおいしかったです(笑)。

ーーそうした経験が、餅屋さんというキャラクターを描くうえでどう活かされていますか?

「楽して痩せたい」という餅屋さんの気持ちは、まさに私のダイエット人生の総括そのものです。

 でも、そうは問屋が卸さず……結局は「食事制限と適度な運動」が正解だと打ちのめされる姿も含めて、餅屋さんにはしっかり反映させているので、非常に描きやすいキャラクターです。

ーー「白米」「餅屋」「飯田」「麦野」など、キャラクターのネーミングも印象的です。名前を考えるうえで、楽しかったことや悩んだことがあれば教えてください。

 餅屋さんの名前は、かなり悩みました。「食べるのが好きそうで」「覚えやすい名前」という軸でいくつか案を出して、最終的に決まったのが“餅屋さん”でした。

 白米くんと飯田さんがどちらも「お米っぽい名前」なのは、いとこ同士という設定から“近しい響き”を意識して名づけています。

ーー今後の創作活動における展望や目標を教えてください。

 今後もSNSなどを中心に、たくさんの作品を描き続けていきたいです。

 そして、ひとつひとつの作品が、少しでもおもしろく、完成度の高いものになるようにしていくことが目標です!

ーー最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

 いつも『痩せれませんよ?もちやさん』をはじめ、私の作品を読んでくださりありがとうございます!

 応援の声や感想など、本当に励みになっています。これからも頑張って描いていきますので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです!

取材・文=ネゴト / Micha

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