乳がんについて何か備えてますか?9人に1人がかかる乳がんにまつわるリアルなお金の話【書評】

マンガ

公開日:2025/7/28

 日本人女性の9人に1人が乳がんにかかるといわれる現代、周りで乳がんになった人の声を聞くと不安になることもあるだろう。治療も進化し、早期発見なら命に関わることも少ない。では、治療にいくら必要なのか、具体的に知っているだろうか。

乳がんにまつわるお金の話』(うだひろえ:著、 聖路加国際病院 乳腺外科部長 吉田敦・FP 深田晶恵:監修/KADOKAWA)の著者であるうだひろえさんは、ある日、乳がん経験者である編集者から「何か備えてますか?」と問われ、動揺。「治る可能性が高い」といわれる乳がんでも、治療にはまとまったお金が必要と知り、その“知らなさ”に強い不安を感じる。

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 そこで乳がんを体験した編集者と、乳がんにまつわるお金について学び始める。そもそも乳がんとはどんな病気なのか、どんなリスクがあるのか、そして大切なお金のことについて、乳腺外科の医師や、乳がん経験者であるFP(ファイナンシャルプランナー)に根掘り葉掘り聞くことで、「何もわからない」状態から少しずつレベルアップしていくのだ。

 知識は、自分を守る“武器”にも“盾”にもなる。乳がんになるのは誰でも怖い。だが知識を身につけておけば、いざ乳がんになったときも慌てずに治療に向き合えるのかもしれない。もちろん動揺はするだろうが、お金のことや今後の仕事について見通しが立っていれば、それは安心材料になるのだ。

 本作は、年を重ねて今後の人生の健康について不安を覚えたときにおすすめしたい1冊だ。インターネットで「乳がんに必要なお金」と検索すれば多くの情報が出てくるが、がん治療に必要なお金は人それぞれ違う。独身か子どもがいるのか、どのような働き方をしているかでも全く違うのだ。だからこそ正しい知識を身につけ、自分に必要なことの判断ができるようになることが大切なのだろう。作中には保険に関するチャートもついており、保険の選び方のヒントも見えてくる。自分の未来を守る、確かな“備え”を身につけてほしい。

文=ネゴト / くるみ]

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