【バチェラー6】なぜこんなに“負の意見”が多かったのか? 完璧だと言われていたバチェラーの選択が物議《最終話ネタバレありレビュー》
公開日:2025/6/26
『バチェラー・ジャパン』シーズン6の最終回が、2025年6月19日(木)20時よりAmazon Prime Videoで配信された。この記事では、すでに公開されている最終話の感想がネタバレ込みで書かれているので、未視聴の方は要注意。視聴後に読むことをおすすめします!
ローズを渡した瞬間、思わず「わかってた!」と口走ってしまった
気が付けば、もう最終話である。残る二人は小田美夢さんと石森美月季さん。最後は二人と一日デートをし、女性陣の両親と対面。そして、最後にバチェラーが最後のローズを渡すという、両親に会う順番が前後したものの、いつも通りの流れだ。

そして、最後にローズを受け取ったのは、石森さんだった。正直「ですよね~」と思った視聴者の方が多かったんじゃないか。私は少しの希望をもって、せめて小田さんが選ばれないかなと思って観てはいたものの、バチェラーが石森さんと呼んだ瞬間には「わかってた!」と思わず口走ってしまった。それくらい、予想通りで、順当で、平穏なまま終了した『バチェラー・ジャパン』シーズン6だったのだ。

今回の『バチェラー・ジャパン』シーズン6は、これまでのバチェラーシリーズの中でも特に事前の期待値が高かったように思う。それはひとえにバチェラー自身のスペックが理由だろう。言葉を選ばずに言えば、歴代のバチェラーの中でも、頭一つ抜けている大金持ち。彼自身も医師免許をもち、ただのボンボンというわけでもない。もちろん顔もいい。バチェラーという番組の、“成功者のパートナーの座”を奪い合うというコンセプトにピッタリの、多くの女性が「結婚したい!」と思うような男性だった。

だからこそ視聴者は「本気で奪い合う女性たち」の熱気と、そんな女性から真剣に自分のパートナーを探し出そうとする「バチェラーのむき出しの感情」を期待していたのだ。
しかし、蓋を開けてみれば、もともと実家のパーティーに呼ばれるような関係で、バチェラーの実母ともテキーラのショットで乾杯したことがあるような、要はバチェラーという番組じゃなくても出会っていた女性が最後に選ばれてしまった。そして、その気配を最初から薄々と感じていた視聴者は多かっただろうし、なんというか期待していたリアリティショーは最後まで繰り広げられないまま終わってしまったような消化不良感だけが残ってしまった。
「彼女自身のことは全く知らない」と言っていたけれど
石森さんがバチェラーともともと知り合いだったことは、シーズンが始まってすぐにバチェラー自身の口から女性陣に告げられた。その際に、会ったことはあるものの、他の女性陣と同様に彼女自身のことは全く知らないと説明し、だからこそ同じ時点からのスタートだとした。しかし、たしかに彼女自身のプライベートは知らなかったとしても、実家のパーティーに呼ばれる仲という時点で、社会的な立ち位置や家柄などは把握できていたはずだ。それはとんでもないお金持ちの家柄のバチェラーにとっては有用な情報だと思うし、その時点で彼女は一歩リードしていたと感じてしまった。

石森さんがバチェラーに対して度々言っていた「お互いの友達や家族も一緒に仲良くしたい」という発言も、ただただオープンなファミリー像を語っていたというよりは、彼自身の家庭の文化に順応できるというアピールにも思えたし、最後の彼女の両親とバチェラーの対面シーンでも、父の海外出張が多かった話や、彼女のために留学に行かせていた話など、やっぱり小田さんのときよりも社会的なポジションや経済的な釣り合いを感じさせる話が多かった。
バチェラーなりにエンタメ要素も作ろうとしていたが……
最後の選択時にバチェラーが、デートのたびに雷雨と停電にみまわれた小田さんと、パーティーのたびにドレスの色がかぶっていた石森さんの二人について、違う形での運命的な面白さがあったと、けっこう無理やりな形で共通点を挙げていた。デート中のバチェラーの態度もけっこうわかりやすかったがゆえに、かなり苦しいなあとは思っていたが(その点は前回の記事の最後で書いている)、彼なりにエンタメ要素を残そうとしたのかな、なんて邪推もしてしまう(もちろん、本当に彼なりに運命を感じていた二人だという可能性もある。私も含めて視聴者はあまりに知らないことが多すぎる、ということは付け加えておく)。

とはいえ、あまりに石森さんの一人勝ち感が強かった今シーズンのバチェラー。そうか、これだけのスペックの男性がバチェラーになると、それはもう番組内の女性の頑張りだけではどうにもならないことが発生してしまうのか、というのが今回の正直な感想だった。たとえば、バチェラーと同じような実家極太のお嬢様ばかりを集めたらまた違うバチェラーが見られたのかな、とか意味もない想像をしてしまう始末である。
ちなみに、石森さんとのスケートデートでバチェラーが描いた石森さんの(ひどすぎる)似顔絵のシーンが私はこのシーズンを通して一番好きだった。あの瞬間だけ、バチェラーの生っぽい姿が垣間見えて、こういうところもっと見たかったなーとちょっと惜しい気持ちになった。

と、色々好き勝手言ってしまったが、なんだかんだ言いつつ、結局最後まで観てしまったので面白くなかったわけではない。もしかしたら、単純に石森さんの顔と性格がバチェラーの好みどんぴしゃでそれ以外選択肢がなかっただけかもしれない。そして、次のバチェラーのハードルを上げたことは間違いがない。今回の結果を受けて、次のバチェラーがどう始まるのか、すでにそれがちょっと楽しみになっている。
文=園田もなか
『バチェラー・ジャパン』シーズン6
配信開始日:2025年6月5日(木) 20時より独占配信開始
話数:全9話
6月5日(木)20時 第1話-第4話
6月12日(木)20時 第5話-第7話
6月19日(木)20時 第8話-第9話
製作:Amazon
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