モノを捨てずに「キレイな部屋」へ。 部屋の景色を変えたらハッピーに暮らせる! 『古堅純子の片付け事件簿 ―家族のピンチをズバッと解決!―』【書評】

マンガ

公開日:2025/8/8

 モノを捨てるのではなくまず「部屋の景色」を変えてみる。片付けの目的はモノを減らすことではなく、住む人がハッピーに暮らせるようになること。それが5000軒以上の家を片付けてきた著者の流儀だ。

古堅純子の片付け事件簿 ―家族のピンチをズバッと解決!―』(古堅純子:原作、 田辺ヒカリ:漫画/KADOKAWA)は、幸せ住空間セラピスト古堅純子氏による人気YouTubeチャンネル「週末ビフォーアフター」で紹介された片付けエピソードのコミカライズ作品。片付けのハードルをぐっと下げてくれる1冊だ。

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 古堅流片付けの最大の特徴は、モノを捨てることがマストではないことだ。

 まず部屋をどう使いたいのか、どう暮らしたいのかを考える。そして、収納の中を見直してスペースを作り、日常で使っていないもの、部屋がごちゃつく原因となっているものは扉の中にしまう。

 最も重視されるのは「部屋の景色」、つまりふだん生活していて目にする部屋の中の状態だ。どんな状態なら、家族みんなが落ち着いて気持ちよく暮らすことができるのかを考えながら、「景色」を整えていくのである。

 手をつけるべきは「景色を変えること」なので、思い出の品や大切なコレクションを手放さなくていい。それだけで、片付けに向かう気持ちが少し軽くなるだろう。

「これなら自分にもできそう」と思えるポイントがたくさんあり、片付けが苦手でも自然とやる気が湧いてくる。

 本作では、片付けを成功させたことで家族の絆が深まったり、前向きな気持ちになれたりといった依頼人たちのビフォーアフターを通じて、見える景色が変われば自然と心持ちも変わることが示されている。部屋も心もすっきりさせていく登場人物たちの姿を見るうちに、片付けを始めたくなるに違いない。

 痛快なストーリーを通じて心が軽くなる片付けのコツを学び、できることから実践してみてほしい。

文=ネゴト / 桜小路いをり

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