不倫、誘拐、逃亡… 爆発的人気のギャグ系ファミリーサスペンス漫画『どちらかの家庭が崩壊する漫画』【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/7/27

「エリート夫」と「無職夫」。正反対の夫を持つ妻たちに巻き起こる騒動とは!? SNSで話題沸騰のファミリーサスペンス『どちらかの家庭が崩壊する漫画』(横山了一/KADOKAWA)。娘のリエが生まれ、幸せ絶頂なはずの薬師寺家の妻ユイ。ところが、善意を押し付ける義母、マザコン夫シュウの不倫など、穏やかではない出来事が次々と降りかかり、我慢を強いられ…。そんなとき、助っ人として現れたのが毒山(ぶすやま)夫妻だった。コワモテのゴン&ヤンキー口調のマリンの協力を得て、ユイは不倫夫、そして非常識な義母を成敗できるのか? さまざまな家庭トラブルに共感しつつ、毒山家による堂々たる格闘とギャグで読後はスカッとした気分に! “モヤモヤ”と“スリル”が止まらない本作への想いを著者の横山了一さんに聞いた。

――pixivやSNSで多くの作品を公開されていますが、いつから漫画を描き始めましたか?

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横山了一さん(以下、横山):小学生の頃からです。絵が得意な父と遊びたいという気持ちで描き始めました。父は漫画賞をもらったこともある人だったので、一緒に描いているうちに、自分も漫画家になれるんじゃないかと思い始めて。大学在学中に賞をいくつかもらい、担当編集さんがついて、24歳のとき、『熱血番長鬼瓦椿』(講談社)というヤングマガジンの連載でプロデビューしました。

――本作と作風は違いますが、ヤンキー系のキャラクターに共通点がありますね。得意なジャンルはありますか?

横山:得意ジャンルはギャグで、アクの強いギャグが根本にあります。吉田戦車先生の『伝染るんです。』(小学館)や、『ファミコン通信』(現在は『週刊ファミ通』)でエッセイを描かれていた桜玉吉先生からギャグの影響を受けました。ヤングマガジンで育ったので、ヤングマガジンからも影響を受けていると思います。ヤングマガジンといえば、ケンカ、車が好きな人向けのイメージ。僕も『どちらかの家庭が崩壊する漫画』に出てくる、ゴンやマリンみたいにガラの悪いキャラクターを描くのは好きですね。

――今は、子育てエッセイからオタク系まで幅広く描かれていますね。

横山:2015年頃から、活路を見出すためにネットで子育てエッセイを載せたのをきっかけに、幅が広がりました。エッセイは初めてでしたが、SNSと相性がいいかなと思って。それが2万8000くらいリツイートされ、翌日、知り合いの編集さんから連載の打診がありました。それまでは編集さんのゴーサインが出るような漫画ばかり狙っていたので、何でも載せられる自由さがありがたいですね。飽きられないように、いろんなタイプの漫画を配信しています。

――登場するキャラクターもヤンキーからオタクまで幅広いのですが、ご自身はどんなタイプなんですか?

横山:僕自身はオタクでもないし、ヤンキーでもなく、普通の人間です。どうしたら面白くなるのかを俯瞰で見ながらキャラクターを動かしている感じです。だから、ものすごくオタク要素が強いものやリアルなヤンキーは描けないんですよ。

取材・文=吉田あき

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