自分が良かれと思うことを嫁に押し付ける義母。「悪意のない」義母との軋轢を解消する方法は?【著者インタビュー】
更新日:2025/8/1

「エリート夫」と「無職夫」。正反対の夫を持つ妻たちに巻き起こる騒動とは!? SNSで話題沸騰のファミリーサスペンス『どちらかの家庭が崩壊する漫画』(横山了一/KADOKAWA)。娘のリエが生まれ、幸せ絶頂なはずの薬師寺家の妻ユイ。ところが、善意を押し付ける義母、マザコン夫シュウの不倫など、穏やかではない出来事が次々と降りかかり、我慢を強いられ…。そんなとき、助っ人として現れたのが毒山(ぶすやま)夫妻だった。コワモテのゴン&ヤンキー口調のマリンの協力を得て、ユイは不倫夫、そして非常識な義母を成敗できるのか? さまざまな家庭トラブルに共感しつつ、毒山家による堂々たる格闘とギャグで読後はスカッとした気分に! “モヤモヤ”と“スリル”が止まらない本作への想いを著者の横山了一さんに聞いた。
――自分が良かれと思うことを、疑うことなく嫁のユイに押し付ける義母の聡子。ただ、それを断るのってすごく難しいですよね。ユイの場合も「悪気がないからこそつらい」と感じながら、ずっと我慢しています。
横山了一さん(以下、横山):ユイは聡子に何も言えず、ひたすら我慢していますが、この辺りの描き方は難しかったところです。ユイはエリートサラリーマンの妻で、何を言われてもニコニコしながら聞く、育ちがいい女性のイメージで描き始めたキャラ。最初は笑顔が多かったけど、聡子が現れてからは不憫なシーンが増えて、眉毛がどんどん困った眉毛になり、不幸体質のようになってしまって。でも聡子のおかげで話が盛り上がりました。彼女がラスボスとして機能していたので。
――終盤に差し掛かるにつれて“ボス”感が増していきますからね。
横山:最初のほうは単なる理解のない義母でしたけど、だんだん暴走気味になってきて、最後はもう孫を誘拐しようとしますし、ユイとの全面対決みたいな感じに。ちょっとやりすぎた感はあります(笑)。
――ずっと我慢していたユイはあるとき、聡子が家に入り浸るのをやめさせるようにシュウに相談し、「自分の気持ちを初めてはっきり言えた」と喜びます。この漫画と同じように義母のことで悩む人がいたら、はっきりと伝えたほうがいいと思いますか?
横山:そうですね。ユイがシュウに伝えたのと同じように、悩んでいるようならまずは義母と距離を取るようにするのがいいのかなと。同居していたら仕方ないですが、相性が良くない場合、たまに会うくらいがちょうどいいと思うので。
取材・文=吉田あき