不倫した息子をかばう義母。さらには孫の誘拐まで… どこにでもいそうな義母が“闇堕ち”した理由【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/8/4

「エリート夫」と「無職夫」。正反対の夫を持つ妻たちに巻き起こる騒動とは!? SNSで話題沸騰のファミリーサスペンス『どちらかの家庭が崩壊する漫画』(横山了一/KADOKAWA)。娘のリエが生まれ、幸せ絶頂なはずの薬師寺家の妻ユイ。ところが、善意を押し付ける義母、マザコン夫シュウの不倫など、穏やかではない出来事が次々と降りかかり、我慢を強いられ…。そんなとき、助っ人として現れたのが毒山(ぶすやま)夫妻だった。コワモテのゴン&ヤンキー口調のマリンの協力を得て、ユイは不倫夫、そして非常識な義母を成敗できるのか? さまざまな家庭トラブルに共感しつつ、毒山家による堂々たる格闘とギャグで読後はスカッとした気分に! “モヤモヤ”と“スリル”が止まらない本作への想いを著者の横山了一さんに聞いた。

――義母の聡子は、最初は不倫して嫁に出ていかれた息子を守るために奔走していましたが、終盤は冷静さを失っている感があります。なぜあんなに暴走してしまったのでしょうか?

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横山了一さん(以下、横山):その後のエピソードでも描かれていますが、聡子はシングルマザーとしてシュウを育ててきたので、ワイワイとみんなで団欒できるような家族像に憧れ、固執していたんですね。その理想が崩れていくにつれ、冷静さを失ってしまった。もともと激情家で、キレやすい性格だったのもあると思います。

――ユイと聡子の全面対決は息を呑むような迫力でした。

横山:僕がヤングマガジンでデビューしているからなのか、だんだん過激になっていくところがあって。もう終盤だし、盛り上げていこうという気持ちが出ちゃった感じですね。中盤くらいから、聡子にめちゃくちゃにさせようと計画していたので、そこまで溜めて溜めて溜めて…。最後に暴走させました。

――そんな聡子も若い頃はかわいらしい嫁だったのですよね。続く第9巻では、いよいよ“嫁だった頃の聡子編”が描かれるようですね。

横山:世の中で叩かれる義母って、自分が苦労したから嫁も同じ目にあわせたいっていう負の連鎖みたいなものがあるらしく、そういうリアルな部分もこれから明かされていきます。聡子にもいろいろな過去があり、苦労人でもあるので、きっとだんだん歪んでいったんだと思います。『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーみたいに“闇堕ち”する理由があったというか。今の聡子になるまでのエピソードも楽しんでもらいたいですね。

取材・文=吉田あき

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