変身も魔物討伐もギリギリ合法? 魔法少女がグレーな手法でルールの隙間をかいくぐる、新感覚ファンタジー!【漫画家インタビュー】

マンガ

公開日:2025/8/4

 ポップなキャラクターデザインとは裏腹に、社会の理不尽や大人の事情が垣間見えるファンタジー漫画『グレーゾーンの魔法少女』。

 ある日、道を歩いていた少女の前に突然現れた謎の妖精は、少女の足元に魔法のステッキをポイっと投げ捨ててこう告げる。「魔物を倒すためステッキを拾い、魔法少女に変身するニョ~!!」。

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 どうして、わざわざステッキを道に投げ捨てたのか? どうやら妖精界では、妖精が人間に直接関与するのはご法度。ステッキの投げ捨てはそのルールをすり抜けるための、合法ギリギリのテクだった……!

 どんな課題も困難も、あの手この手を使ったグレーゾーンの手法でさらっと解決。世界を救う(かもしれない)少女とルールの隙間をすり抜ける妖精が織りなす、新感覚の魔法少女の物語である。

 謎の妖精と魔法少女の軽妙な掛け合いが印象的な本作は、X(旧Twitter)を中心に人気が高まっており、3万以上のいいねが集まる投稿も。

 作者・銀河セレモニー☆☆☆(@Ce_Lemony)さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。

妖精と魔法少女の双方が損をしない世界を描いてみたかった

ーー『グレーゾーンの魔法少女』を描こうと思ったきっかけや理由を教えてください。

 きっかけは、以前から魔法少女もののアニメや漫画において、魔法少女側が不利な契約を結ぶことになるケースが多いことが気になっていたからです。

 妖精と魔法少女の双方が損をしないような、曖昧な状態で戦ったらどうなるか試してみたかったんです。

ーーこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはどこですか?

 たとえルール上はグレーゾーンでも、心理的に「良くないな」と思うことは描かないことにしています。

 逆にルール上はアウトでも心理的に理解できてしまうことは、時々描いています。グレーゾーンではありますが、読んでくださった方が何となく気持ちが楽になるように描いているつもりです!!

ーー特に気に入っているシーンなどはありますか?

 ちゃんと制服もグレーなのが気に入っています!

ーー現代社会のルールや法制度と魔法世界をリンクさせたのは、どのような狙いがあったのでしょうか。

 単純に自分が会社で働いてから漫画家になっているので、社会のあるあるを、そのままねじ込んだ形です!

ーー「脱法テクニック」を考えるうえで、実際の法律や制度などを参考にされたことはありますか?

 むしろ政治批判や制度批判と受け取られないよう、元ネタの影響はできるだけ薄めて、十分に配慮するようにしています。

ーー読者の感想のなかで、特に印象に残っているものを教えてください。

「ブラックな魔法少女ものはたくさんあったけど、グレーゾーンなのは初めて見た」という感想は、この漫画が受け入れてもらえた理由の全てだと思いますし、大切にしています。

ーー今後の展望や目標をお教えください。

 物語をしっかりハッピーエンドにまとめることと、書籍化です!!

ーー作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

 何かと単純化して、白黒はっきりさせようとする空気感のあるインターネットの世界で、グレーゾーンを楽しめる物語をまだまだ作っていきたいと思っています!

 この先もよろしくお願いします!

取材・文=ネゴト / 糸野旬

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