子どもたちの奇想天外な発想に、笑って泣いて共感必至! 育児のヒントも満載の大人気保育士漫画、待望の第2シーズン『ただいま! 保育士でこ先生』【書評】

マンガ

公開日:2025/8/25

 好奇心のままに突き進む幼児の行動や発言には、自由な発想や表現が溢れている。大人には奇想天外に映る行動は子どもにとってはごく自然なこと。まだ社会のルールや常識にとらわれていないからこそ、のびのびとしたアイデアや言動が生まれるのだろう。

 そんな子どもたちとの日常をユーモアたっぷりに描いたのが、元保育士である著者・でこぽん吾郎氏が描く保育漫画『ただいま! 保育士でこ先生』(でこぽん吾郎/KADOKAWA)だ。SNSで話題を呼んだ『実録 保育士でこ先生』の第2シーズンとなる本作でも、前作と同様に、でこ先生が元気いっぱいの園児たちに囲まれながら笑いと癒やしに満ちた出来事の数々が繰り広げられる。

advertisement

 何といっても保育園の日常には、子どもたちの純粋さゆえの笑いやハプニングが盛りだくさんだ。例えば、ある日突然泣き出した園児がいた。理由を聞くと「じいじが救急車に乗ったのに、自分は乗せてもらえなかった」とのこと。心配よりも羨ましさが勝ってしまうのが、いかにも子どもらしくてつい笑ってしまう。

 またある日、子どもたちが楽しく遊べるようにと、でこ先生がぬいぐるみを並べておいたところ、翌朝はまさかの「ぬいぐるみが動いた」疑惑で大騒ぎに。前日とは位置が違うぬいぐるみにおそるおそる触れた園児たちは、「生き…てる?」と本気で驚いていた。

 もちろん、子どもたちの相手をするのは決して楽しいことばかりではない。子どもの急な発熱や、夜遅くまで終わらない指導案作り、そして発表会に向けた苦手なピアノの練習など。毎日てんてこまいのでこ先生の姿は、多くの子育て中の人の共感を呼ぶ。

 さらに『ただいま! 保育士でこ先生2』では、本シリーズでは初となる「発達支援」をテーマにした描き下ろし作品「一人じゃない」も収録されている。個性のある子どもとの向き合い方や周囲のまなざしに悩む保護者、そのほか保育に関わるすべての人に手に取ってほしい作品だ。

文=ネゴト / 糸野旬

あわせて読みたい