泉の女神に”普通の斧”をもらった男が喜んだのはなぜ? 有名童話をブラックにアレンジ!【漫画家インタビュー】
公開日:2025/8/18

「あなたが落としたのは金の斧ですか? 銀の斧ですか?」
かの有名なイソップ童話『金の斧』をもとにした4コマ漫画『消えた斧』は、泉から現れた女神が斧を落とした男と対峙するシーンで幕を開ける。しかし、そこからのストーリーは意外過ぎる展開に。
男が落としたのは、なんと殺人に使った”血まみれの斧”。「普通の斧です」と答えた男に、女神は「嘘つきですね」と冷たく告げ、まんまと“普通の斧”を授けてしまう。無事に証拠隠滅が完了し、男はニンマリ。
正直さを大切にする童話の世界が、まさかのブラックユーモアに早変わり……。道徳の裏をかく痛快なユーモアが光る本作は、X(旧Twitter)を中心に人気が高まっており、3万以上のいいねが集まる投稿も。
童話をもとにした漫画を多く投稿している作者・オカトマト(@tomatokeikakuan)さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
あらすじの共通認識がある童話は、4コマのモチーフとして扱いやすい
ーー『消えた斧』を描こうと思ったきっかけや理由を教えてください。
「金の斧、銀の斧」というフレーズだけで、木こりが斧を泉に落とし、泉から女神が現れるという一連の流れを読者に想起させることができます。
その認知度の高さを逆手に取ってミスリードとして活用できるのではと思いつき、4コマを描きました。
ーーこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントを教えてください。
1コマ目の時点では普通の泉の女神ですが、オチに向けて2、3コマ目で徐々に歯車がずれていくように描きました。
ーー童話にはさまざまな教訓や風刺が含まれていますが、あえてそれを逆手に取った構成が印象的でした。童話をブラックユーモアとして描いた背景には、どのような思いがあったのでしょうか?
童話は話の内容が共通認識としてあるため、4コマのモチーフとして扱いやすく、今までも何本も童話モチーフの作品を描いています。
童話をブラックユーモアで描こうとしたというより、結果として自分の作風とかみ合ったという印象です。
ーー読者から寄せられた感想や考察のなかで、特に印象に残ったものはありますか。
女神は無感情でシステマチックな存在として描いたつもりだったのですが、女神が木こりに天罰を下す展開を考えていた人が多かったことが印象的でした。
ーー限られたコマ数のなかでエピソードの面白さを伝えるために工夫していることはありますか?
なるべく台詞は短く、語呂が良くなるように意識しています。
あまり短くしすぎると伝わりにくくもなりますが、Xではリプライで解説や補足をしてくれる人もいるため、10人中1人に伝われば十分かなぁと考えています。
ーー作品のアイデアやネタ探しはどのように行っていますか? 効果的なインプット方法や工夫があれば教えてください。
常にネタが枯渇しています。むしろ教えてほしいです。
ーー今後の展望や目標を教えてください。
最近はキャラクターコンテンツをバズらせるために試行錯誤しています。もともとのオカトマトの作風とは異なりますが、そちらも応援していただけると嬉しいです。
ーー作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつも漫画を読んでいただきありがとうございます! なるべく多くの作品を届けられるよう頑張ります!