隣人と男女の仲を噂されるなんて! トラブルがさらなる事態を招く。好意を寄せられることが時には恐怖に【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/8/31

 子どもが小学校に入学するタイミングで郊外の住宅地に家を買ったとある家庭。主人公・平川里奈は、近所のママ友や町内会の人たちに溶け込み、順調なスタートを切っていた。しかしある日、公園で自分の子どもを激しく叱責する女性を咎めたことをきっかけに日常に変化が。数々の嫌がらせを受けるようになった里奈は、口論になった女性が犯人だと疑い、証拠を掴むために行動を起こしていく。しかし事態は思わぬ方向へ展開し……。閑静な住宅地という閉鎖的な人間関係から悪意のない誰かの行動が人を傷つけていくという人間関係の本質を描く『この街の誰かに嫌われています』(グラハム子/KADOKAWA)。サスペンスセミフィクションである本作誕生の経緯から自身の体験まで、著者であるグラハム子さんにお話を伺いました。

――本作には「噂がまわるのが早い」という都会とは違う、田舎の煩わしさのようなものも描かれます。これはご自身の経験によるものですか?

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グラハム子さん(グラハム子):そうですね、私自身漫画家になりたての頃に、とあるママ友に漫画家であることがバレてしまって、「みんなに言わないでね」と伝えたのですがあっという間に広まってしまったことがありました。最初は悲しくなったし、怒ったりもしたのですが、もう口止めしても意味がないんだな、と悟って怒りもしなくなりましたね。私は地方で育ったのですが、そこはさらにすごくて「○○くんはあそこの高校に行った」とか「△△ちゃんが生理になった」とかもう怖いくらいに近所の人に把握されているんですよ。そういう経験も入っていますね。

――主人公が隣人の男性との仲が噂されるという展開が意外でした。

グラハム子:隣人はバツイチだから恋愛できる状態なんですよね。意外な要素は人を引き付けるので、そういう要素も入れようと担当編集さんと話し合いました。敵意を向けられるのも怖いけど、好意を向けられるのも状況によっては恐怖ですよね。実際ご近所で噂になってしまって主人公にとってはマイナスな展開になってしまう。悪気のない、もっと言えば正義と思っていた行為が誰かを傷つけているというのが今回のテーマである「あなたの正義は誰かを傷つけていないか」にも一致するなと思って描きました。

取材・文=原智香

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