明るくて家族の中心だった母親が他界。受け入れられず塞ぎこんだ日々を送っていると、一通の手紙が届く。差出人は生前の母親だった【漫画家インタビュー】

マンガ

公開日:2025/9/4

 イラストレーターや漫画家として活躍するしばたまさん。『しばたまが聞いた! 本当にあったすごい話』は、フォロワーから寄せられた体験談をもとにした漫画で、「感動した!」「怖すぎる……」「スカッとする」と多くの読者の心をつかんでいる。数あるエピソードの中から特に反響の大きかったお話について、その体験談の印象や漫画の執筆過程で意識した点、読者からの反響などをお聞きした。

 取り上げたのは、療養中も変わらず明るく元気に過ごしていた母親が亡くなった後、悲しみに暮れる投稿者の元に届いた、母親からの手紙に心が動かされたエピソード。

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 投稿者が高校生の時、母親が病気に。明るい性格の母親は落ち込むことなく、海外旅行にも出かけるなどこれまでと変わらない様子だった。その後母親が亡くなり、投稿者は落ち込み学校にも行けなくなってしまう。そんなある日、見覚えのある字で書かれた郵便物が届き……。

憧れの存在は、ひょうひょうとしているけど心優しいあのキャラクター

――投稿者のお母さんからのサプライズには思わずグッときました。しばたまさんは、ご自身がされた、もしくはしてもらった思い出深いサプライズはありますか?

高校生の大学受験の時、同級生からもらった手作りの合格祈願御守りがグッときました!

私の高校は美術の専門校ではなかったので美大進学する同級生が他にいなくて、急に美大に舵を切った私をおかしな子だと思っているのかな~とか、なんとなく(勝手に)思っていたので(笑)。

「マイウェイ行くとかマジかっこいい! 応援してる!」と渡されたときは本当にうれしかったです。1浪しましたが!(笑)

――登場するお母さんは病気になっても落ち込まず、明るく暮らす姿が印象的でした。このような生き方をどう思われますか? ご自身が同じ立場になったらどうされますか?

すごくかっこいいと思います! 私も同じ立場だったらこのように立ち振る舞いたいですが、簡単なことではないですし、もっと精進が必要だと思います。

――投稿者の方は「いつか自分も母親のような」という気持ちを持たれていましたが、しばたまさんにとって憧れの存在は?

さくらももこ先生が生んだキャラクター「コジコジ」です。

いつどんなときでも動じず自分を持っていて決して芯がブレないですし、ひょうひょうとしていてユーモラス! 背伸びをすることもない! しかも優しいのです……!

実は誰よりも周りを見ていて、その人に必要なことをそっとしてあげるんです。そして自分がしてあげたことをひけらかすこともない。コジコジのようにはなれないとわかっていますが、いつもコジコジを心に住まわせればちょっとは近づけるのかもしれないです。

とまあこんなことを思っている時点でね……という感じですが(笑)。

しばたま
デザイナー&イラストレーター。大人気アイスのパッケージデザインなどを手がける。Instagramでフォロワーさんから体験談を募集し「ゾッとした話」「ほっこりした話」などのマンガを描き、話題に。著書は『1万人がいいね!した 心ゆさぶる本当の話』『身の毛がよだつゾッとした話』。

Instagram:@shibatamaa
X:@shibatamaaaa

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