髙地優吾(SixTONES)さんが選んだ1冊は?「憧れの中田選手が綴った数々の言葉。この本から得たものは計り知れない」
公開日:2025/8/27
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年9月号からの転載です。

中学3年までサッカーを続けていたという髙地さんにとって、中田英寿さんは憧れの選手。本書が発売された時も、すぐに手に取ったという。
「サッカーIQが高く、ゲームメイクに長けていて、キャプテンシーもある。それほどの選手がなぜ30歳を前に、突然引退をしたのか……それがすごく不思議だったんです」
2005年にイギリスのチームへと移籍した中田。この本には、彼がそこから引退を発表するまでの10カ月間にわたるサッカーへの想いが、自身の言葉で綴られている。
「中田選手はどんな激しいプレーでも、絶対に倒れないという精神を貫いていた。そこが日本の武士道にもつながる感じがして、大好きだったんです。そんな強い選手が、引退を内に秘めたまま臨んだドイツW杯の最終戦後にピッチ上で何を思っていたのかを知りたかった。その答えが、この本で少しわかった気がしました」
成功に向けてのビジョンを持つ大切さや、挑戦し続けるために必要な強さ──。「中田さんの言葉から得たものは計り知れない」と髙地さん。
「ただ、どうしても僕はいつまで経ってもリーダーシップが足りない(笑)。なので、次の舞台までにこの本を再読し、学び直そうと思います」
髙地さんの主演舞台『ある日、ある時、ない男。』が間もなく開幕する。座長としての意気込みをうかがうと、「座組は演出家さんがまとめてくださるので、僕はそこをあまり意識せず、みんながストレスフリーになれる環境を心がけたいです」と語る。
「今作のようなコメディは特にそれが大事だと思っています。僕が演じる良介はとにかくツキがない。頑張り屋なのにいつも空回りしていて(笑)。そんな彼に一攫千金のチャンスが舞い込む。周囲を巻き込んでいく群像劇になっていますし、展開もめまぐるしく、終始笑って楽しんでいただける内容になっています」
舞台への想いは熱く、「年に一度は出ることを目標にしている」そうだ。そこには、「ほかでは得られない刺激や達成感があるから」とのこと。
「共演者同士で意見を交わしながら、じっくりと一つ一つのシーンを作っていく作業が大好きなんです。今回はお笑い芸人の方もいらっしゃり、きっと役へのアプローチの仕方や引き出しの数も違うので、吸収できることがたくさんある。物語自体もとても平和だと思いますし、僕もこの舞台を通して良介と一緒に成長しながら、お客さんに幸せを届けていきたいですね」
取材・文=倉田モトキ、写真=TOWA
ヘアメイク=福田純子(Nestation)、スタイリング=柴田拡美(Creative GUILD)、衣装協力=シャツカットソー4万700円/A.F ARTEFACT(THE GALLERY BOX ☎03-5784-4344)、パンツ4万2900円/Ayne doppio(@ayne_doppio)、その他スタイリスト私物 *すべて税込
こうち・ゆうご●3月8日、神奈川県生まれ。2020年、SixTONESのメンバーとしてCDデビュー。今年、グループ初の5大ドームツアーを成功させた。近年は映像や舞台でも活躍し、出演作にドラマ『ムサシノ』、舞台『夏の夜の夢』『星降る夜に出掛けよう』、初の単独主演舞台『Come Blow Your Horn〜ボクの独立宣言〜』など。

舞台『ある日、ある時、ない男。』
作・演出:西田征史
出演:髙地優吾(SixTONES)、森永悠希、大野いと、オラキオ、佐藤仁美、片桐 仁ほか
東京公演:8月25日(月)〜9月16日(火)(東京グローブ座)、大阪、福岡公演あり
●運も金もない人生を歩んできた良介。気持ちが沈む彼を横目に、街の人間は巨大ショッピングモールのオープンに浮足立つ。ところが、そんな良介の耳に一攫千金の情報が。人生の一発逆転を狙おうと動き出す良介だったが、ツイてない彼の行動はやがて親友の土居たちを巻き込む大騒動に。