天使なのに汚い言葉で悪魔を罵倒! 脳内で勃発した天使と悪魔のあるある葛藤バトル、勝負の行方は…?【漫画家インタビュー】

マンガ

公開日:2025/8/31

 ある日、道端に落ちていた財布を発見した女子高生。すると突然、悪魔と天使が出現! 「ネコババしちまいな…」と甘くささやく悪魔と、「ダメよ! 警察に届けるのです」とド正論を振りかざす天使。

 あまりにベタなシチュエーションに戸惑う女子高生を置き去りに、悪魔と天使の激しい攻防戦が幕を開ける短編漫画『悪魔と天使の板挟み』。善の象徴であるはずの天使も、悪魔に対しては一切容赦なしで……!?

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 善悪とは、正義とははたして何なのか? 人間の心に潜む欲望や葛藤をあぶり出す風刺コメディだ。

 クセの強い天使と悪魔の軽妙なやりとりが印象的な本作は、X(旧Twitter)を中心に人気が高まっており、7000以上のいいねが集まる投稿も。

 作者・橋本ライドン(@hashimotorideon)さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。

「脳内の天使と悪魔」というあるあるを自分らしい表現で描きたかった

ーー『悪魔と天使の板挟み』を描こうと思ったきっかけや理由を教えてください。

 きっかけは、「脳内の天使と悪魔による葛藤」というあるある表現です。

 もともと悪魔や天使のキャラクターが好きで漫画のモチーフにすることも多く、この”あるある”から何か作品ができないかなと思い、この漫画を描きました。

ーーこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントを教えてください。

 デフォルメの強い絵柄のため、普段はキャラクターの体型差はあまり目立たないのですが、本作では悪魔と天使がより対照的になるよう、体型からしっかり差をつけて描いてみました。

 悪魔がストレートに露出度が高いのに対し、天使は一見清楚なようでしっかり露出しているところが特に気に入っています。キャラクターに好みを詰め込んだので、趣味が合うと嬉しいです!

ーー天使と悪魔を人間と同じサイズのキャラクターとして描いたのは、どのような狙いがあったのでしょうか?

 一般的な「脳内の天使と悪魔による葛藤」は、脳内の出来事であることもあり、キャラクターが小さく可愛らしいサイズで描かれることが多いと思います。

 一方、本作ではあえて等身大、しかも天使と悪魔のどちらも高身長のキャラクターとして登場させ、さらに脳内ではなく現実に現れる存在として描いています。葛藤する人間が比喩ではなく実際に「板挟み」にされたら面白いかなと思い、このような表現を選びました。

ーー善の象徴であるはずの天使が、悪魔に対しては一切容赦がないのが印象的でした。天使と悪魔は実は似た者同士にも見えるのですが、それぞれの性格の違いについて意識したのはどんなことですか?

「悪魔に対しては一切容赦がない天使」というキャラクター設定は、善の象徴であるはずの天使が意外と攻撃的だったら面白いかなという発想から生まれたものです。

 人間に対しては、悪魔は「悪」で天使は「善」のスタンスを取りますが、この両名は人間を介して自分の主張を通す喧嘩をしているので、相手に対しては攻撃姿勢を取ります。ともに好戦的なところがあり、そういった意味では似たもの同士だと思います。

 両者の性格は、ざっくり言うと悪魔がアッパー系で天使がダウナー系です。

 描き分けのポイントのひとつは、「悪口」の描写です。言い争いになったとき、悪魔が天使を「お花畑ちゃん」とやや可愛らしい言い回しで罵る一方、天使は悪魔を「カス悪魔」と、容赦ないストレートな言葉で返すようにしています。

ーー本作のように「天使の理屈は正しいけど、悪魔の言い分もリアルだな……」と感じることは、日常生活でもありますか?

 あります。もっとも、本作においてはお財布は警察に届けるほかないと思うのですが、もっと別のシチュエーションで他人が困らないことなら、悪魔の言い分もよりリアルに感じられるかもしれません……!

ーー本作のほかにも2コマ漫画を多く描かれていますが、限られたコマ数のなかでエピソードの面白さをより伝えるために工夫していることはありますか?

 セリフはなるべく短く……とは思うのですが、2コマの縛りがあるときは必要な情報をすべて入れることを優先しています。

 また、最近は「起承転結」や「序破急」のように物語に「緩急」があったほうが読者にとってより楽しめる作品になるかも……? と思っているので、そのような内容になるよう心がけています!

ーー今後の展望や目標を教えてください。

 現在取り組んでいる連載やご依頼いただいたお仕事にしっかり向き合い、より多くの方に楽しんでもらえる漫画を描くのが目標です。

 また、ライフワークでもある個人的な漫画も引き続き大切にしていきたいと思っています。『悪魔と天使の板挟み』もそのひとつですが、他にももっと膨らませたい2コマ作品がいくつかあるので、それらをきちんと形にすることもまた今後の目標のひとつです。

ーー作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

 いつも漫画を読んで応援してくださり本当にありがとうございます。皆さんのおかげで漫画を描き続けることができています。

 これからも新しい漫画をお届けできるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いします!

取材・文=ネゴト / 糸野旬

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