同性の親友から「私と付き合わない?」友情と恋心の狭間で揺れ動く気持ちの行方は…【漫画家インタビュー】
公開日:2025/9/5

友情と恋のあいだで揺れる女性ふたりの関係の変化を描いた漫画『とりこのため息』。高校時代から何をするにも息ぴったりで、誰よりもウマが合う最強の親友どうしだったユズキとモモコ。
ところが、高校を卒業し大人になったふたりの関係は少しずつ変わり始める。きっかけとなったのは、彼氏の束縛に悩むモモコに対し、ユズキがふとつぶやいたひと言だった。「私と付き合わない? 私にしなよ」。
冗談のようでどこか本気にも聞こえたその言葉に、モモコの心は揺れ始める。気づけば、彼氏のことよりもユズキのことばかりを考えている自分がいた――。
ユズキとモモコの関係の変化、そしてフルカラーで丁寧に描かれたイラストの美しさが話題の本作は、X(旧Twitter)を中心に人気を集め、6万以上のいいねが集まる投稿も。
作者・オオハチ(@oohachi8)さんに、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
同年代の女の子ふたりが恋をする、明るい話を描きたかった
ーー本作を描こうと思ったきっかけや理由を教えてください。
前作『マヒルとヒナの恋の話』は、当初の構想よりも真面目な内容になってしまったため、今回はより明るく「恋してる!」という空気感が感じられるような同年代の女の子ふたりの話を描きたいと思ったことが、創作のきっかけでした。
ーーこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはどこですか?
モモコとユズキのファッションです。ふたりにはできるかぎり魅力的な格好をしてほしいと思って描いています。読んだ方に「こんな服を着たい」と思っていただけることが目標です。
ーー特に気に入っているシーンやエピソードを教えてください。
3話にて、ユズキが「私と付き合わない?」と言った後のふたりの会話シーンです。思いきって告白したユズキがすぐに不安になり、冗談っぽく「うそ」だとごまかすものの、モモの反応を見てやっぱり「ほんと」と伝えます。
揺れ動きながらも最後は決心するユズキの気持ちと、モモコの純粋でまっすぐな一面が伝わればうれしいです。
ーーモモコが徐々にユズキに惹かれていく過程がとても丁寧に描かれていると感じました。同性どうしの恋愛関係を描くうえで、特に意識されたことはありますか?
これまでに描いたシーンでは、同性どうしというよりも「ずっと親友だと思っていた相手を恋愛対象としてみられるか」という部分を意識しました。
今後は女性どうしであるゆえの葛藤なども描くかもしれませんが、基本的にふたりにはハッピーな気分でいてほしいと思っています。
ーーフルカラーで丁寧に描かれたイラストの美しさに目を惹かれました。モモコとユズキのビジュアルや全体の配色など、デザインでこだわったポイントを教えてください。
キャラクターの配色はいつも迷うのですが、今回はわりとインスピレーションですんなり決まりました。
モモコは「桃」をテーマに髪色をピンクに設定し、あとは自分の好みでシンプルにまとめています。女の子ふたりの話なので、なるべくかわいらしい配色を心がけています。
ーー今後、モモコとユズキの関係はどのように進展していくのでしょうか?
しばらくはお試しの交際期間が続くと思います。その後正式に付き合うことになるのかどうか、ふたりで答えを出していきます。
ーー今後の展望や目標を教えてください。
今回は女性どうしの話ですが、今後は他にも男性どうしや異性どうしの恋愛など、さまざまな作品を描いていきたいです。
ーー作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
読んでくださってありがとうございます! SNSではあたたかい反応やご感想をいただき、本当に幸せでした。今後のふたりを、最後まで見守っていただけるとうれしいです。