忘れられない「過去」 それは「今」の自分に必要なメッセージだった? 過去をひもとき未来を拓く『過去占い』【書評】

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更新日:2025/9/4

過去占い
過去占い(かげした真由子/サンマーク出版)

 どうしても忘れられない過去や、ふとした時に思い出してしまう過去が、誰しもあるのではないだろうか?

 ああすれば良かった。あんなことを言わなければ良かったなど、後悔の過去や楽しくて幸せいっぱいで、充実していた過去。

 その過去をひもとき、「今」のあなたにメッセージを伝える――というコンセプトの著作が『過去占い』(かげした真由子/サンマーク出版)である。

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 著者は占星術を得意とする占い師・心理セラピストのかげした真由子さん。これまで出版した『命日占い』『魂占い』は累計17万部を超えるベストセラーになっている。

 作家としてだけでなくYouTubeでも活躍している彼女は「まゆちん」というあだ名で、明るく軽やかに人生を豊かにする占いコンテンツを発信している。

 その著者の最新作『過去占い』は、新しい角度の占いの本だ。

 本書は過去を再解釈するということではなく、忘れられない過去や、最近なぜかよく思い出してしまう過去の出来事には「今の自分に必要なメッセージがあり、未来を拓くための重要なサイン」であるという想いから作られている。

 過去占いの仕組みは「月」(時の集合体)と「太陽」(魂)を掛け合わせた結果から導き出しているのだが、少しだけ専門的な話になってしまうので、知りたい方は本書を読んでみてほしい。

 占い方は簡単だ。

 他の占い本と同様にチャート表があり、「占いを開始しようとしている現在の日時」「自分の誕生日」が交差するところのTYPEを探す。

 TYPEは1~15まであり、「書きかけのメロディ」「マジックアワーの空」「無限のあかり」など、短編小説のようなタイトルが付けられていて、それぞれ25頁前後の紙幅を割き、充実した内容で過去からのメッセージが書かれている。

 過去占いが特に効果を発揮する状況は、

1、現在、何らかの課題を抱えている時、または実現したい夢や目標がある時
2、忘れたくても忘れられない過去(人との縁や出来事)がある時
3、過去の出来事を引きずっていて「今を生きている」感じがしない時
4、最近、理由もなく特定の過去を思い出すことが増えた時

――だそうだ。

 この記事を書いている筆者も、早速やってみた。

 思い出すことが多かった小さい頃の家族旅行についてメッセージをもらうべく、チャートからTYPEを検出。「TYPE2 季節外れの線香花火」だった。

 この過去が今の私に伝えたいメッセージは「自信よりも大切なものがある」「自信がつくまで待っていると、何かを逃すかも」だそう。

 言われてみれば、私の腰はめちゃくちゃ重い。やりたいことはあるけど、お金が貯まってから。情報を集めてから。計画を立ててから……とつい後回しにしがちだ。

 また、この過去を今の私が思い出した理由は「美しい花を咲かせるなら、今この瞬間だ! というサイン」なのだとか。なるほど。背中を押してもらえたような気がする。

 どのTYPEのメッセージも、迷う気持ちを後押しし応援してくれるような内容ばかりなので、厳しいことを言われたら怖いという方でもご安心を。

 何より本書の良いところは、思い出す過去がある限り、何度でも占えるという点だ。装丁も可愛いので、本棚にそっと置いておいて、ふと思い出した過去の意味を知りたい時、ページを開いてみてはいかがだろうか?

文=雨野裾

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