マシンガンズ滝沢「子どもの小学校卒業時、ランドセルをフィリピンまで直接届けました」ごみの分別や環境保全を「楽しむ秘訣」【インタビュー】

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公開日:2025/9/5

 『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』著者・マシンガンズ滝沢秀一さん

 36歳からごみ清掃員の仕事をスタートさせ、お笑い芸人をしながらごみ研究家としても活動するマシンガンズの滝沢秀一さん。新刊『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』(講談社)は子ども向けに刊行された一冊だが、滝沢さんによれば、ごみの捨て方を意外と知らないのは子どもより大人のほうだそうで…。知らないと恥ずかしい今どきのSDGsの常識や、もっと知りたくなる海外のごみ事情などをインタビューで語ってくれた。

ごみの常識、意外と知らないのは30代40代

——ごみって毎日のように向き合うすごく日常的なことですよね。ごみの捨て方はもちろん、間違った捨て方、減らす工夫などを教えてくれる本書は、まさに“ごみのバイブル”だと感じました。

滝沢秀一さん(以下、滝沢):この一冊でだいたいごみの捨て方はわかるんじゃないですかね。

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——子ども向けということで、工夫されたところは。

 『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』より
『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』より

滝沢:イラストを入れるとやっぱりわかりやすいと思うんです。「ビン」や「カン」が絵で描かれていれば小学1年生でも理解できると思うし、小さい子なら清掃車の構造が描かれたページも好きでしょうね。「どうしてごみを分別するのか」とか、ちょっと難しいページは何年か後に読んでもいい。5年生くらいになれば、たぶん全部理解できるようになると思います。繰り返し読んで、少しずつ覚えてほしいですね。

——少しずつ覚える楽しみも生まれそうですね。ごみを再利用や再資源化するための「リデュース」「リフューズ」など、大人でも知らないような知識もたくさんありました。

滝沢:そう。だから大人が読んでもいい本なんですよ。

——こういったごみの知識は、ご自分で調べているんですか?

滝沢:もちろんそうですね。たとえば、リペアの話でいうと、ヨーロッパでは「リペアの権利」を消費者が勝ち取っているんですよ。日本って大概のものが自分では直せないじゃないですか。たとえばゲームのコントローラーが壊れたら、新しいものを買うしかない。それがヨーロッパでは、消費者が企業に「簡単な作りにして」「危ない部品を使わないで」などと伝えて、消費者がリペア=修理できるような文化が出来上がっている。そういうことを調べるのが好きですね。

 たぶんこういう話題って、大人より小学生のほうがくわしいんじゃないですか。2015年に掲げられたSDGsが今の子どもにとっては当たり前。4年生になるとごみの学習もありますから。

——そうかもしれませんね。子どもに教えたいのに、親のほうがごみの捨て方を知らないんです。

滝沢:僕たちはごみの教育を受けていないのでね。今の二十歳くらいの子なんてすごいですよ。スーパーで目の前のところから牛乳を取っていたので「なんで?」って聞いたら、学校で習ったって言うんです。

 『まんがで読める ごみってなんだろう? 世界一わかりやすいごみの本』著者・マシンガンズ滝沢秀一さん

——目の前のところから牛乳を?

滝沢:「手前取り」といって、賞味期限の早いものから食品を買うと、食品ロスを削減できるんです。僕なんて、子どもの頃は後ろから取れって大人に教えられましたからね。今の30代、40代はまだその癖が残っているけど、今の子は当たり前のように手前から取りますよ。

——意識が高い。

滝沢:うん。でも、当たり前のことかもしれませんね、僕ら大人ができていないだけで。

——恥ずかしくなってきますね…。先ほどのヨーロッパの話からすると、日本はごみに対する危機意識が遅れているんでしょうか。

滝沢:まだできることはたくさんあると思います。ただ、分別については結構優秀ですよ。ペットボトルの分別なんて、諸外国の約40%に対して、日本は90%以上できてますからね。

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