Tシャツを“育てる”夫。大切に着すぎた結果、薄くなりついには穴も!? 年を重ねるほど難しくなる洋服選び【著者インタビュー】
公開日:2025/9/15

「何だか昔より行動力が落ちているかも」「年のせいかな」――そんなことを感じているアラフォー、アラフィフ、アラ還の女性たちに読んでほしいのが、月間800万アクセスの人気主婦ブロガー・カータンさんの『ビバ 女の古』(主婦の友社)。50代の明るく楽しい毎日を描く日常コミックエッセイだ。父親と姉を相次いで亡くしたカータンさんは、「思い立ったら即行動」とあらゆることに挑戦する。映画やドラマのエキストラに挑戦したり、憧れの松田聖子のディナーショーに出かけたり、マッスルショーで大はしゃぎしたり……。時に年齢を感じることもある。だけど、クヨクヨ悩むなんてもったいない! 読めば「年をとるのも悪いことばかりじゃないかも」と思えてくる。前向きな気分になれる。そんな本書はどのように生まれたのか。著者のカータンさんにお話を聞いた。
――本書には年を重ねた「女の古(こ)」ならではのエピソードが満載です。特に共感したのは洋服のエピソード。「着るもの迷子」になって、毎日同じような服を制服のように着ているアラフォー・アラフィフ・アラ還の読者は多いのではないかと思います。
カータンさん(以下カータン):私の母はすごくおしゃれな人だったんですが、70代半ばから着るものにも無頓着になってしまいました。それを考えると、おしゃれが楽しめるのも、あと20年? いや、私は母ほどおしゃれじゃないから、もっと短いかも。それまでは、シックな色の服を好んで着ていましたが、肌の艶も失われつつある年齢、せめて服くらいは明るい色を着たいなと、パーソナルカラー診断を受けに行きました。自分に似合う色を知ったことで、服選びの参考になりました。
――年を重ねるほど、服を選ぶのが難しくなるんですよね。新しい服を選ぶのはもちろんのこと、昔買った服の扱いにも悩んでしまいます。カータンさんは、古くなってしまったファッションアイテムとはどのように向き合っていますか。
カータン:昔買った服は、生地も上質で仕立てがいいんですよね。デザインが古くなっても、なんだか捨てるのはもったいない。そんな洋服はリフォームしてもらったりします。ずっと眠らせていた立て爪のダイヤの指輪もリフォームして、よく身につけています。
――古いものの方がかえって使い勝手がいい場合も少なくありません。それでいうと、本書に書かれている旦那さんの「Tシャツ育て」には思わず吹き出してしまいました。旦那さんは、ところどころ薄くなったTシャツを「ここまで育てるのにどれだけかかったと思ってるの」とカータンさんが捨てようとしても愛用。それから2年がたって、Tシャツの右肩に穴があいて、娘さんたちから「パパみっともないよ。捨てなよ」「着てる意味ある?」と指摘されたり、右肩への宅配便のお兄さんの視線を感じたりしても、そのTシャツとの別れを惜しんでいました。
カータン:大切に育てたTシャツ1号、2号は捨てました。さすがに体を覆う面積が少なくなってしまったので(笑)。そして、夫は、今、3号、4号をせっせと育てています。でも、透け感が出て、心地よくなるまで、先は長いようです。ボロボロのTシャツを散々けなしていた私ですが、家にいる時は、シーズン8を迎えたリーバイスのTシャツやシーズン7を迎えたユニクロのリラコを愛用しているので、最近気持ちがわかってきました。「大切に扱わないと!!」と思っています。
取材・文=アサトーミナミ
