「終末期延命治療は望まない! ファイナルアンサー!」 50代から「終活」を始めた訳【著者インタビュー】
公開日:2025/9/18

「何だか昔より行動力が落ちているかも」「年のせいかな」――そんなことを感じているアラフォー、アラフィフ、アラ還の女性たちに読んでほしいのが、月間800万アクセスの人気主婦ブロガー・カータンさんの『ビバ 女の古』(主婦の友社)。50代の明るく楽しい毎日を描く日常コミックエッセイだ。父親と姉を相次いで亡くしたカータンさんは、「思い立ったら即行動」とあらゆることに挑戦する。映画やドラマのエキストラに挑戦したり、憧れの松田聖子のディナーショーに出かけたり、マッスルショーで大はしゃぎしたり……。時に年齢を感じることもある。だけど、クヨクヨ悩むなんてもったいない! 読めば「年をとるのも悪いことばかりじゃないかも」と思えてくる。前向きな気分になれる。そんな本書はどのように生まれたのか。著者のカータンさんにお話を聞いた。
――カータンさんがこの本を書かれたのは、お父さまやお姉さまを相次いで亡くされた、かなりお辛い時期でした。悲しいことばかりが続くなかで、どうやって気持ちを奮い立たせていたのでしょうか。
カータンさん(以下カータン):辛い時期、自分を客観視しているもう1人の自分がいたように思います。一種の現実逃避だったのかもしれません。困難に立ち向かう自分をもう1人の自分が「がんばれ!」「あなたなら乗り切れる!」とドラマを見ているようなそんな思いで見ていました。
――カータンさんは、「終活」としてご自身の老後について、すでに娘さんに話しているそうですね。その理由や思いをお聞かせください。
カータン:私は親と「お金のこと」「お墓のこと」を結構オープンに聞ける関係だったのですが、死が現実味を帯びてくる年齢になると、なかなか具体的なことを聞きづらくなってしまいました。逆にこっちは具体的に聞いておきたいことが増えるのに。なので、娘たちには、今からきっちり話しておいた方がいいなと思って、今から話しています。
――確かに、親の死が間近になった時、子どもとしては「聞きたくても聞きづらい」ことがたくさん出てきそうですね……。
カータン:私の場合は「終期末延命治療」については、親に本当に聞きづらかったです。ホームに入居する時、「希望する」「しない」を選ばなければいけませんでした。父は「人生50年太く短く!」と散々言っていたので、延命治療については、望まないだろうと思っていましたが、ためらいましたね。死が現実味を帯びてくると、「死にたくない!」「死ぬのが怖い!」と気が小さくなっていたので、もし尋ねたら「希望する!」と言い出しかねない。でも、しっかりしていた頃の父なら、絶対に望まないことだろうと。最終的には姉と相談して決めたんですが、罪悪感のようなものもありました。なので、私は今から娘に「年をとってママが生に執着したとしても、ママは終末期延命治療は望まない! ファイナルアンサー!」と伝えています。
取材・文=アサトーミナミ