「死は遺された者の試練」父の死、姉の死を経験して思うこと【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/9/19

「何だか昔より行動力が落ちているかも」「年のせいかな」――そんなことを感じているアラフォー、アラフィフ、アラ還の女性たちに読んでほしいのが、月間800万アクセスの人気主婦ブロガー・カータンさんの『ビバ 女の古』(主婦の友社)。50代の明るく楽しい毎日を描く日常コミックエッセイだ。父親と姉を相次いで亡くしたカータンさんは、「思い立ったら即行動」とあらゆることに挑戦する。映画やドラマのエキストラに挑戦したり、憧れの松田聖子のディナーショーに出かけたり、マッスルショーで大はしゃぎしたり……。時に年齢を感じることもある。だけど、クヨクヨ悩むなんてもったいない! 読めば「年をとるのも悪いことばかりじゃないかも」と思えてくる。前向きな気分になれる。そんな本書はどのように生まれたのか。著者のカータンさんにお話を聞いた。

――カータンさんがこの本を書かれたのは、お父さまに続いて、お姉さままで亡くされた時期でした。カータンさんにとってお姉さまはどんな存在だったのでしょうか。

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カータンさん(以下カータン):小さい頃から姉はしっかり者で、私は常に「姉について行けば大丈夫!」と思って生きてきました。親の海外赴任が長く、姉が大学生、私が高校生の頃は2人で生活していたので、姉は私にとってずっと親みたいな存在です。そんな姉が癌になり、余命宣告を受けた時は、私は動揺してオロオロ……。まるで触覚を失くした蟻のような状態になってしまいました。

――お姉さまの闘病生活を振り返って思うのはどういうことですか。

カータン:姉は強い人で、弱音も吐かず、泣き言も言わず、余命宣告を受けてからも「大丈夫! 大丈夫!」と病気に立ち向かっていました。なので、私も姉の前では気丈に振舞っていました。ただ本音を言うと、限られた時間の中で、聞いておきたいこと、伝えたいこともたくさんあったし、抱き合って一緒に泣きたかった。そのことが心残りです。

――年を重ねた「女の古(こ)」の中には、カータンさんと同じように、大切な人の死に立ち会い、悲しみの中にいる人も多いと思います。そういう方々にかけてあげられる言葉はありますか。

カータン:私は、「死は遺された者の試練」だと思っているんです。父は晩年視力を失い、孫の顔も見られなかったし、姉は闘病生活中、とても辛そうでした。2人が亡くなり、残された私は寂しいですが、きっと今頃、2人は大好きなビールでも飲みながら、私たちのことを見守ってくれていると思うんですね。そう思うと、「私がクヨクヨしていたらビールも美味しくないだろう」と。いつかたくさんのお土産話を持って会える日まで、私は自分の人生を楽しもうと思います。

取材・文=アサトーミナミ

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