家事を一切やらない夫を「我が家の三つ星料理人」に! 老後に向けた“夫育成法”とは?【著者インタビュー】
公開日:2025/9/20

「何だか昔より行動力が落ちているかも」「年のせいかな」――そんなことを感じているアラフォー、アラフィフ、アラ還の女性たちに読んでほしいのが、月間800万アクセスの人気主婦ブロガー・カータンさんの『ビバ 女の古』(主婦の友社)。50代の明るく楽しい毎日を描く日常コミックエッセイだ。父親と姉を相次いで亡くしたカータンさんは、「思い立ったら即行動」とあらゆることに挑戦する。映画やドラマのエキストラに挑戦したり、憧れの松田聖子のディナーショーに出かけたり、マッスルショーで大はしゃぎしたり……。時に年齢を感じることもある。だけど、クヨクヨ悩むなんてもったいない! 読めば「年をとるのも悪いことばかりじゃないかも」と思えてくる。前向きな気分になれる。そんな本書はどのように生まれたのか。著者のカータンさんにお話を聞いた。
――本書では、カータンさんが老後に向けて、旦那さんに変化を促すエピソードが描かれています。家事を一切してこなかった旦那さんを一体どうやって「我が家の三つ星料理人」や「買い物上手」にまで育てたのでしょうか。料理をしたことがなかった旦那さんが、ジェノベーゼを作るためにハーブまで育てるようになるなんて驚きです……。
カータンさん(以下カータン):よく「夫が定年退職後、家の中が険悪なムードになる」という話を聞くじゃないですか。以前は私も、毎日夫が家にいる生活を想像し、げんなりしていました。「退職後に、夫婦が仲良く暮らすにはどうしたらいいのか」「どちらかが我慢してはいけないな」と。そこで夫に「夫婦2人の生活になった時、あなたと仲良く協力し合って暮らしたいのよ、だから…」と、しおらしい妻の演技で伝えました(笑)。
――読者の中には、「ウチの夫は、要望を伝えても全然改善してくれない」と諦め気味の人もいると思います。そういう夫にはどう対応したらいいでしょうか。
カータン:難しいですよね。私も要望を伝え始めた頃は、要望を伝えるたびに夫が「この世の終わりのような顔」をすることにうんざりして、伝える気が失せましたから。でも、「このままでは何も変わらない」と思い、根気よく伝えました。我が家の場合、娘がいたので、「もし娘の夫が家事をまったくしないで、娘1人が大変な思いをしていたら、あなたはどう思う?」と、私を娘に、夫を娘の夫に置き換えて話したり(笑)。これがとても効果的でした。
――カータンさんの旦那さんへの接し方は、夫婦円満のためにとても参考になります。カータンさんは旦那さんと夫婦喧嘩をすることはないのでしょうか。旦那さんにイラっとした時、どうやって解決していますか。
カータン:あまり喧嘩はしないのですが、この頃多いのは、年齢的なものなのか「言った」「聞いてない」の言い合いになることですね。私が「絶対に言った」と思っても、夫も引かない。そんな時は面倒なので、「そうね、言ってなかったかもしれないわ」と言ってしまう。それを聞いて満足げな夫の顔を眺めながら、「これで満足かい! 折れてやったんだわ! 大人だからね!」と心の中で夫以上に満足げにつぶやいています。
――ご夫婦で「日本ほめる達人協会」の「『ほめ達!』検定」に参加したというエピソードも印象的です。お互い、ほめるポイントを見つけ、ほめ合うのは大切なこと。とはいえ、「なかなか夫のほめるポイントが見つからない」という人も多いのではないでしょうか。ぜひ、ほめる極意を教えてください。
カータン:「お腹が出ている」→「恰幅がいい」、「おやじ臭」→「ワイルドな香り」……いろいろ変換できますよ?(笑)。でも、最近は、夫も私が言いたい本当の意味がわかってきたようで、「ひどくない?」と笑っています。言いたいことを必死にほめ言葉に変換しようとしているその努力がおかしいのだと思います。逆に夫も、私がちょっと高いアクセサリーを買おうとすると、「あなたはそんなアクセサリーがなくても十分輝いているんだから」と全力で阻止してきます。
取材・文=アサトーミナミ