「モブの私」にだって物語がある。日常生活で見つけたなんてことない「あるある」を、笑いに昇華!【漫画家インタビュー】
公開日:2025/9/18

6月にはなんで祝日がないんだろう。若者言葉を知っても、うまく使いこなせない。そんな、誰もがふとした瞬間に思ったことや経験したことが、インパクトあふれる言葉とともに描かれるエッセイ漫画。「それわかる!」と共感できるエピソードが満載だ。
夫婦生活や子育てをはじめ、日常のふとした瞬間を2〜3コマで切り取った、さてよさんのエッセイ漫画は、思いきり笑えて、時にはほっと癒やされる。読んだ後には、当たり前の毎日がちょっぴり愛おしく感じてくる。
X(旧Twitter)では日常のワンシーンがたびたび話題になり、3万を超えるいいねを獲得することも。
そんなユーモラスなエッセイ漫画を描く、さてよ(@sateyo)さんに、創作のきっかけやこだわりについて聞いた。
何気ない日常にも面白さを。生活のひとコマが物語になる
ーーエッセイ漫画を描かれるようになったきっかけや、創作の理由を教えてください。
子どもの成長記録を残したいことがきっかけで、エッセイ漫画を描くようになりました。Xに載せることでいろいろな人と交流することができて、漫画を描くことがさらに楽しくなりました。
「こんな楽しかったことがあったよ、聞いて聞いて~」という気持ちで描いています。
ーー描くうえでこだわっている点や、「ここを見てほしい」というポイントはどこですか?
力を入れず読んでもらいたいので、セリフを少なくシンプルになるように描いています。毎回右下に小さくサインを入れているのですが、いつも3回くらい書き直しているので、たまに見てもらえると嬉しいです。誰も見ていないと思いますが……。
ーー特に気に入っているお話を、理由とともに教えてください。
ひいおばあちゃんの輪ゴムの話が気に入っています。ひいおばあちゃんが大好きでよく遊んでもらっていたので、大切な思い出を漫画にできて嬉しいです。

ーー子育てや夫婦生活、日常のあるあるなど、さまざまな瞬間が描かれていますが、お話のアイデアは普段どんな時に浮かぶのですか?
日常生活で面白い出来事があった瞬間に「漫画にできそうだ」と思ったことをメモしています。後から読むと、意味が分からないメモもたくさんあります。
ーー短いコマ数でしっかりオチをつける展開や、言葉選びの巧みさが魅力ですが、工夫している点を教えてください。
ありがとうございます。不要な情報を省いて、必要な情報のみ描くようにしています。以前は長々と描いていたこともあったのですが、シンプルな方がおもしろさをダイレクトに伝えられる気がしてこのようにしました。
ーー作品を通して描きたいこと、伝えたいことはなんですか?
たぶん私は物語の世界でいうところの「モブ」ですが、モブの私でも日常をよく見てみると面白いことがたくさんあります。皆さんも日常に面白さを見つけて、少しでも楽しい世界で生きてほしいなと思っています。
ーー今後描いてみたいテーマやエピソードはありますか?
自分自身の過去の話を描いてみたいです。子どもの頃に流行った遊びや、変わったバイト、夫との馴れ初めの話などを描きたいです。
ーー今後の展望や目標を教えてください。
商業漫画家としてお目にかかれるようになりたいです。そして、長く会っていない友人に「これもしかしてあなた?」と連絡をもらうのが目標です。
ーー最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつも読んでいただきありがとうございます。これからも漫画を描き続けますので、読んでもらえると嬉しいです! コメントももらえるともっと嬉しいです!
取材・文=ネゴト / fumi