「次マン2025」U-NEXT賞受賞! 命を奪って生きてきた者同士の出会いから始まるファンタジー『魔女と傭兵』【書評】

マンガ

PR 公開日:2025/9/19

魔女と傭兵
魔女と傭兵(宮木真人:漫画、超法規的かえる(マイクロマガジン社 刊):原作、叶世べんち:キャラクター原案/講談社)

魔女と傭兵』(宮木真人:漫画、超法規的かえる(マイクロマガジン社 刊):原作、叶世べんち:キャラクター原案/講談社)が、「次にくるマンガ大賞2025」において特別協賛のU-NEXTから贈られる特別賞「U-NEXT賞」Webマンガ部門を獲得した。

 原作小説は「次にくるライトノベル大賞 2023」で文庫部門5位、「2024」では同部門2位を獲得、小説投稿サイト「小説家になろう」の四半期ランキングでも1位を獲得した人気作品だが、コミカライズ版はその魅力をマンガという表現で膨らませることで、多くの読者からの支持を獲得。今回の受賞へと繋がった。

『魔女と傭兵』

孤独な2人が出会って始まる物語

 近年「なろう系」と呼ばれているジャンルの人気作品としては珍しい、非常にシンプルなタイトルからも察せられるかもしれないが、本作はいわゆる異世界転生・召喚系ではない、ややダークな部分もあるファンタジー作品だ。

「双刃の傭兵」と呼ばれるジグ=クレインが参加した魔女討伐の任務で、討伐対象である「沈黙の魔女」ことシアーシャによって自分以外が全滅させられてしまう。しかし、シアーシャはジグへ自身の護衛を依頼し、ジグはそれを承諾。異大陸で生きていこうとする魔女と、彼女を護る傭兵の2人を中心とした物語が紡がれていく。

『魔女と傭兵』

 2人はその後、魔獣が存在する異大陸へと渡り、シアーシャは冒険者として活動を始めていく。こつこつとギルドの依頼をこなして評価点を稼いで冒険者の等級を上げていくところや、魔獣の素材を売ってお金を貯め少しずつ良い装備を買い揃えていくところなどは王道RPGのような楽しさも感じさせてくれる。

 原作は戦闘シーンの迫力や思考過程の綿密な描写が人気の一因となっているが、このコミカライズ版でもシアーシャの凄惨なまでの威力を誇る土の魔術、ジグの剣技が大ゴマで派手に描かれており、臨場感を生み出している。

『魔女と傭兵』

 次々に登場する魅力的なサブキャラクターたちとの苛烈なバトルや、魔獣たちの異変が予感させる大きな危機など、物語が進行していくほどに面白さはどんどん増していく。

 それでも本作の一番の見どころは、主役2人のキャラクターとその関係性だ。シアーシャは普段は丁寧な言葉づかいで、文化や魔術に対する好奇心を抑えられなかったりポンコツな面もあったりと人間味を感じさせてくれる。

『魔女と傭兵』

 その一方で、怒ったときには畏怖をもたらす強大な魔女の側面も見せ、そのギャップが魅力的なキャラクターだ。コミカライズ版ではその魅力が表情だけでも端的に表現されている。

『魔女と傭兵』

 そんな彼女にすら打ち勝ったジグは、圧倒的な戦闘力はもちろんのこと、シビアな世界で生き抜いてきた経験から強い精神力を持ち、処世術にも長けている。チートとまではいかないものの、強い主人公が活躍する物語を見たい方にもおすすめできる。

 一見かけ離れているようでいて、傭兵と魔女は、本質的に似ている部分がある。それは、己を守れるのは己だけであり、無数の命を刈り取り、糧として孤独に生き長らえてきた彼らの生き方だ。そんなジグとシアーシャの絶妙な関係性とその変化を見守っていきたい。

 なお、本作は現在U-NEXTにて、期間限定で単行本の無料&試し読み増量キャンペーンを実施中であり、さらに「毎日無料」の対象作品でもある。この機会にぜひチェックしてほしい。

『魔女と傭兵』

【「次にくるマンガ大賞2025」Webマンガ部門 U-NEXT賞受賞記念キャンペーン】

実施期間:2025/9/19(金)~2025/10/2(木)
対象:『魔女と傭兵』1巻無料、2巻試し読み増量
対象ページ:https://video.unext.jp/campaign/FTL0001403

【毎日無料】

実施期間:2025/9/19(金)~12/18(木)
対象:『魔女と傭兵』1巻
対象ページ:https://video.unext.jp/book/title/BSD0000896009

文=兎来栄寿

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