あなたはどう捉える?登場人物の視点によってタイトルの意味が変わる『男友達、好きになったよ』【漫画家インタビュー】
公開日:2025/10/1

『男友達、好きになったよ』は、「男女の友情は成立するのか?」という問いから始まる青春ストーリー。三角関係を軸にしながら、友情を感じる瞬間の尊さや、恋に落ちる瞬間のときめき、叶わない恋の切なさが繊細に描かれていく。
登場人物それぞれの視点から紡がれるエピソードは、教室での何気ない会話や、帰り道、受験や文化祭といった、等身大の青春を切り取る。また本作の作品タイトルが、どの登場人物の視点に立つかで意味が変わってくるのが面白い。
第1話はX(旧Twitter)で4万以上の「いいね」を獲得。そして更新のたびに、共感の声や感想が多く寄せられ、読者の心を強く惹きつけている。
そんな『男友達、好きになったよ』の作者・かもがわ圭(@HN331945)さんに、創作のきっかけやこだわりについて聞いた。
友情が永遠に思える、その一瞬を切り取りたい
ーー『男友達、好きになったよ』を創作したきっかけや理由を教えてください。
初めに「三角関係」が題材としてありました。自分だったらどんな三角関係が描けるかな……と考えたところタイトルを閃き、そこから話を膨らませました。
タイトルの意味が登場人物それぞれの目線で変わる話をやってみたかったのもきっかけの一つです。
ーー『男友達、好きになったよ』を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはどこですか?
登場人物のプロフィールはざっくりとですが、過去から考えてあります。中学時代の高野の描写には同じ中学出身である「ごまっち」が登場していたり、こっそり仕込んだ小ネタを楽しんでいただければ嬉しいです。
ーー特に気に入っているお話や場面を、理由とともに教えてください。
第2話の最後のページの高野が気に入っています。自分に脈はなさそうだ、というほのかな悲しさと帰り道のシチュエーションがよく描けたかなと思います。
秋の空の住宅街を失恋ソング聞きながら帰宅する、というようなひんやりした空気感を想像していただければ嬉しいです。

ーー作品の始まりである「男女の友情は成立するか?」は、読者からの反響が多いテーマだと思います。実際に寄せられた感想や意見で、印象に残っているものはありますか?
実は作品のエゴサをあまりしないようにしているのですが(完結したらします!笑)、様々な意見があるテーマだとは思います。
友情が成立する派も、しない派も、また別の意見の方も、なにか共感する部分があって作品を読んでくだされば嬉しいです。
ーー高野と絹川、それぞれが抱える想いの描写が印象的ですが、感情の機微を表現するうえで、どんな工夫をされていますか?
言葉にできない気持ちをどう見せるか意識しています。沈黙や視線、コマの間の空気感などで、説明的になりすぎないように気をつけています。
ーー『男友達、好きになったよ』を通じて描きたいこと、伝えたいことはなんですか?
変化し続ける人間関係の中で、ある瞬間には永遠とも思える友情が成立する。そしてそれは、その後の生き方にも影響を与えるほど大きなものになり得る、というようなことを描きたいと思っています。
ーー今後描いてみたいエピソードはありますか?
本編に出せなかった日常の小話を描いてみたいです。高野と高野兄と飼い犬の力関係とか、絹川と桑畑の昼時間とか……。
ーー今後の展望や目標を教えてください。
健康第一で、なるべく多くの漫画を描き続けていけたらいいなと思っています。
ーー最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
まずは読んでくださってありがとうございます! 登場人物たちの関係がこれからどう動いていくのか、ぜひ見守っていただけたら嬉しいです。
取材・文=ネゴト / fumi