マッチングアプリで喧嘩相手と賞金をゲット!? バトル配信で不良たちが成り上がる、映画化決定の『マッチモンド』がとにかくアツい【書評】

マンガ

PR 公開日:2025/10/7

 マッチモンド
マッチモンド(堀内祥吾/少年画報社)

 婚活、恋人探し、友達になって繋がりたい……そんなニーズを満たす“マッチングアプリ”が市民権を得て久しい。最近のアプリは、個人情報の登録も必要なことが多く危険性も低いと考えられていることから、若い方から中高年まで気軽に始めるユーザーが増えているようだ。

 本作『マッチモンド』(堀内祥吾/少年画報社)も、マッチングアプリが普及した世界のマンガだ。ただ物語のキーになるアプリ「マッチトゥマッチ」は危ない。というか危なすぎた。なぜなら、このアプリは婚活ならぬ“喧活”、つまり喧嘩目的なのだ。

賞金を賭けて戦う不良たち!鍵になるのは喧嘩と出会う“喧活”アプリ

 主人公の籠目まひろは、金なし・職なし・彼女なしの18歳。ある日、まひろは臆病でトラブルメーカーな青年・都蔵ミキオを助けたことがきっかけで「マッチトゥマッチ」を知る。

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 このアプリは自身に賞金を賭けたユーザー同士が“喧嘩相手”をマッチングし、実際に戦って相手の賞金を奪い合うという熾烈なものであった。アプリのランキングの頂点には、賞金額が1億円超えの“The King”が君臨していた。金が欲しい、喧嘩がしたい、喧嘩の配信で有名になりたい……そんな風に考える全国の不良たちの間で大流行する「マッチトゥマッチ」。このアプリを通じて不良が集まり争うこの時代を、人は「不良総混争時代(ギャングモンド)」と呼んでいた。

 初めは「マッチトゥマッチ」を拒むまひろだったが、ミキオたち、かかわった人間たちのトラブルを解決するため、自ら“賞金を賭けた喧嘩”のフィールドへ足を踏み入れる。

 まひろは、名うての不良たちを倒しまくり、知名度が上がっていく。そこで、彼の過去が明らかになる。彼はアプリ登録をしていなかった中学生の頃に、賞金首たちを次々と倒し“無銭の王”と呼ばれていた伝説の人物だったのだ。

「マッチトゥマッチ」の機能で、マッチングしたまひろの喧嘩の模様は配信されている。これを見た不良たちは、次々に伝説の“無銭の王”に挑んでくる。勝ち続ける限り、まひろの喧嘩に終わりは見えないのだ。

「アプリで喧嘩相手をマッチングする」というイマドキな設定の面白さと、ハードな喧嘩描写はとにかくアツい。また、主人公まひろの憎めないキャラクターが読んでいて心地良く、序盤では明かされない彼の過去の詳細も気になってページをめくる手が止まらなくなった。そして、喧嘩の幕間にコメディタッチの展開があり、一度まひろに負けたライバルたちが親しみやすいキャラクターになるのも読後感の良さに一役買っている。

実写映画化決定!盛り上がりのてっぺんを更新し続けるマッチングバトルコミック!

 物語が進むにつれて、ランカーや配信者、全国各地の不良チームなど多くのライバルたちがまひろにマッチングしてくる。最新6巻では、愛知県の覇権を狙う勢力、ストロベリーフィールズとのバトルが最高潮を迎える。全国をまたにかけた、賞金を懸けた大喧嘩の行方は?

 そんな『マッチモンド』だが、このたび実写映画化が決定。そこで主演とメインキャストオーディションが開催されている。なんと、主人公の籠目まひろをはじめとする、個性的なキャラクターたちを一般公募したのである。ちなみに、まひろ役とW主演の都蔵ミキオ役は、醍醐虎汰朗(だいごこたろう)さんだ。まひろ役の決定は2025年10月7日を予定している。本作のファンならば楽しみすぎる企画だ。

 盛り上がりのてっぺんを更新し続ける本作だが、2025年9月から3ヵ月連続で単行本の発売が予定されているので、この機会に是非チェックしてほしい。

文=古林恭

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