「あれが合うと思うよ!」娘のひと言で失敗服が復活。成長の瞬間を描く育児エッセイ【漫画家インタビュー】
公開日:2025/10/15

7歳と4歳の姉妹を育てるイラストレーター・さざなみさんによるコミックエッセイ『日常』は、天真爛漫で好奇心旺盛、そして大人顔負けのおしゃれ心を持つ女の子ふたりと過ごす日々が、やさしいタッチで描かれている。
ある日の買い物帰りのこと。黒のスラックスを購入したつもりが、実は同色のオーバーオールであったことに帰宅後に気づき、落胆する著者。
そこに、長女から意外なひと言が。「着たらいいのにー。お母さん、あれ持ってたじゃん、あれ! あれが合うと思うよ!」。“あれ”とは、以前の買い物で失敗したボリューム袖トップスのことだった。半信半疑で組み合わせてみると、なんと驚くほどしっくりなじむ結果に。
子どもの発想の柔軟さを描いた本作は、X(旧Twitter)を中心に人気が高まっており、1万以上のいいねが集まる投稿も。
多くの育児漫画を投稿している作者・さざなみ(@3MshXcteuuT241U)さんに、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
子どもの成長を育児日記代わりに漫画で記録しておきたい
ーーご自身の子育て経験を作品として発信しようと思われたきっかけや理由を教えてください。
昔から短い漫画や四コマを家族に見てもらうのが好きでした。子どもが生まれてからは、育児日記代わりに日々のちょっとした感動や発見、面白い場面などを漫画で残すようになりました。
SNSを始めてから、育児イラストなどのジャンルを知りました。育児中の閉塞感もあり、誰かの反応や共感を欲していた時期です。自分もやってみようかな、とスタートしました。
ーーこだわっている点や、「ここを見てほしい」というポイントはどこですか。
題材を探したりメモを取ったりはせず、自然に心に残っていることを拾い上げるようにしています。
また、子どもの表情はこだわって何度も書き直しています。何年か経って見返したときに、こんな顔で笑っていたなぁと懐かしくなります。
ーーSNS投稿を拝見すると、子どもの一言がファッションのヒントになっていたり、そのままコーデに反映されたりしている場面が多いように感じます。親子で一緒に服選びをする中で、特に印象に残っているエピソードはありますか?
長女のセンスの良さは、家族みんな頼りにしています。色や組み合わせで迷ったとき、アドバイスを求められる人がいるというのは嬉しいことです。
例えば、私は自分が青色を好むことはなんとなくわかっていたのですが、長女が私がよく持ち物に選んでいる色がロイヤルブルーであると教えてくれてからは、さらに好きになりました。
ーー育児漫画を多く描かれる中で、親としての気づきや、子どもと接する際の考え方の変化などはありましたか?
変化はあまりないように思います。昔からずっと、子どもたちのことは自分とは別の人間だと思っています。よく意見を聞いて、考えを尊重するようにしています。それは変わりません。
ーー今後、子どもの成長に合わせて新たに挑戦してみたい創作のテーマはありますか?
子どもたちが本をよく読むようになったので、児童向けの小説を書いてみたいという気持ちがあります。
ーー子育て世代の方からの共感の声も多いかと思います。読者の感想の中で、印象に残っているものはありますか?
エッセイ漫画を長く読んでくださっている方々から、長女や次女の成長について嬉しいコメントをいただくことがあります。見守ってくれている親戚やお友達がたくさんいるようで、とても嬉しいです。
ーー今後の展望や目標を教えてください。
学習漫画の挿絵や、企業発信のコンテンツなどでお仕事をいただけることも増えてきました。ほのぼのとした絵柄を認めていただけていて、嬉しく思います。
子どもたちも成長し、私が自由に使える時間も増えてきました。今後はなんらかの形で自身の創作を発信していけたらと思っています。
ーー作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
のんびりと自分のペースで更新していきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。