トンボコープ「今まで理想や夢だったことが使命に変わりました」【インタビュー】

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年11月号からの転載です。

　結成翌年から大型フェスに多く出演し、3年目でついにメジャーデビューを果たしたトンボコープ。彼らは、結成当初から明確な目標を持っていた。

でかそ：バンドを始めるときに、ドームツアーをするロックバンドになることを決めていたんです。まずは（林）龍之介の就職を諦めさせることを目標に頑張っていました（笑）。
林：実際に就活の時期に、バンドが上り調子となり、メンバーに“就職しない”と言った時、でかそと（雪村）りんがガッツポーズをしていたのを覚えています（笑）。

　大きな目標を持っていても、実現できるかは別の話。しかし彼らはそれを引き寄せるような曲を作り続けている。

雪村：楽曲制作は、いつも、自分と同じような悩みを抱えている人に響いてほしいという気持ちで作っています。
林：りんと他のメンバー3人のタイプは違うんですが、りんの書く歌詞には、誰もが抱えるものが描かれているんです。だからこそ、大衆性にもつながるし、多くの人に共感してもらえるのかも。

　話し口はとても柔らかくフレンドリーだが、内に秘めた想いは、熱く強い。

雪村：メジャーデビューが決まって、今まで理想や夢だと思っていたことが、使命に変わったなと思っています。
そら：僕たちより先に、周りのバンド仲間がどんどんメジャーデビューを果たしていて、すごく悔しかったんです。でもこれからは、俺たちのターンだと真剣に思っていて。声高にドームツアーがしたいと言葉にしているので、絶対に叶えようと思っています。
林：その第一歩となる、自信あふれるアルバムが完成しました。僕たちが考える王道ロックを詰め込んだリード曲『アイデンティティ』をはじめ、喜怒哀楽その時の感情に寄り添う曲がたくさんあるので、愛してもらえたら嬉しいです。

取材・文：吉田可奈　写真：キムラタカヒロ

完全生産限定盤（CD+BD）8800円（税込）
通常盤（CD）3500円（税込）
キャッチーなメロディと、共感性の高い歌詞、心の奥深くまで届く歌声が癖になる彼らのメジャーデビューアルバム。「最近は、何を伝えるべきなのかということをより考えるようになり、より感受性が豊かになった」（林）、「自分の考えていることを鮮明に、はっきり、正しく伝わる言葉を意識して書いている」（雪村）という、二人が手掛ける歌詞が印象的だ。全19曲というボリュームの渾身作。

NEW RELEASE

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“笑って誤魔化さないで”というタイトルを冠したニューアルバム。それぞれの曲に主人公と物語があり、短編映画を見ているように感情移入できる。ドラマ『１１９エマージェンシーコール』主題歌『声』など話題曲を含む全13曲。

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通常盤（CD）1650円（税込）
“猫に九生あり”という、困難な状況を何度も乗り越えてしぶとく生き抜く力を表すことわざと、9人組グループの超特急を重ねたダンスチューン。中毒性のあるサウンドに、しぶとくあざとい彼らを表現したリリックが魅力的だ。

かわいくて最強な水曜日のカンパネラを表現したポップな全8曲。詩羽の楽しさが伝わる歌い方やエッジの効いたサウンドは、予測不能でクセになる。アニメ『らんま1／2』のOP曲をはじめ、多くの話題作とのタイアップ曲を収録。