決め手は「とりあえず悪いことはしてこなそう」? マッチングアプリで運命の出会い【著者インタビュー】
公開日:2025/10/27

今や数多くある婚活漫画。その多くが実体験に基づき、どのようにパートナーに出会い結婚に至ったかを描いているが、女性側の視点で描かれている作品が多い。その中で男性側が書き手となっているのが『恋愛経験ほぼゼロ!の僕がマッチングアプリで幸せを掴むまで』(角野ブタ煮/KADOKAWA)だ。筆者であり主人公ある角野ブタ煮さんは恋愛経験ほぼない上に、出会いがない状況に焦りを感じ、マッチングアプリによる婚活をスタート。しかし、なかなかスムーズに進まず、いわゆる“婚活疲れ”に陥っていた矢先、一人の不思議な女性と出会って……。
本作の魅力は角野さんのセルフツッコミのおもしろさと、他者への優しい視点だ。自分自身については絵柄もコミカル、鋭くツッコむ一方、出会った女性への視点は常にポジティブ。交際中の初々しい心情描写もときめきながら読むことができる。そんな本作はどのようにして生まれたのか、角野さんにお話を聞いた。
――3回目のデートで告白し、カップルになったおふたりですが、タイヤキさん視点で角野さんとの交際を決めた理由、決め手がなんだったかはご存じですか?
角野ブタ煮さん(以下、角野):決め手という決め手は教えてもらっていないのですが、告白する前に一緒に音楽を聴いたのがおもしろかったらしく、思わずOKしたと言っていました。あとはマッチングアプリで知らない男性に会うこと自体に不安があったらしいのですが、僕が草食系で、「とりあえず悪いことはしてこなそう」と思ったのも理由らしいです。う~ん……なんか釈然としませんね(笑)。
――(笑)なかなか言葉にできないですよね。作中に「付き合ってから本名を知った」とありますが、それまではどうやってお互いを呼び合っていたのでしょうか?
角野:マッチングアプリの登録名で呼んでいました。漫画では角野ブタ煮とタイヤキなので「ブタ煮さん」と「タイヤキさん」ですが、実際には名前の二文字の「◯◯さん」「●●さん」と呼び合っていました。夫婦になった今でも、たまにその名前で呼び合ったりします(笑)。
――角野さんはタイヤキさんに出会うまで30人くらいの方とお会いしたとのことですが、タイヤキさんは何名くらいに会われたのでしょうか?
角野:初めて会ったのが僕だったとのことです。アプリ自体は1カ月くらい利用していて、僕の前にも何人かマッチングしてメッセージをやりとりしていたみたいなのですが、実際には会わず……。彼女がアプリを始めた時期が違っていたら出会えなかったと思うと、運命的なものを感じますね。
取材・文=原智香
